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「産科受難時代」を生き残る病院とは?

神奈川県鎌倉市には、今、出産できる施設がひとつしかありません。その病院の井上裕美先生と長谷川師長さんにお話しをうかがい、この産科医不足時代に生き残る病院の条件を探ってみました。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

以前からこのサイトで「予定日に生まれるのは20人に1人」などで監修のご協力をいただいている井上裕美先生(湘南鎌倉総合病院副院長・産婦人科部長)に、今回、長谷川師長さんと共に、産科医不足問題についてお聞きしました。というのは、井上先生が産婦人科部長を務める湘南鎌倉総合病院は、実は、鎌倉市で出産ができる唯一の施設となってしまい、お産が集中している状態なのです。

鎌倉市で唯一の出産施設となって

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鎌倉では、誰が誘導したわけでもないのに産み場所がひとつだけになりました。

河合 産科医不足の問題は地方の問題だと思われていますが、首都圏でも明らかになっていますね。

井上 私がこの病院に来たのは18年前の1988年で、当時の鎌倉には他にも産科のある病院が3箇所、クリニックが5箇所はあったと思います。ですからこの病院が扱うお産の数は市内全体の1~2割くらいでした。ところが今年の春に最後に残っていたクリニックがお産の取り扱いをやめて、ついにここだけが残る形になってしまいました。

河合 18年間で3つの病院と5つのクリニックが‥‥いつ頃からなくなり始めたのですか。

長谷川 早いところは10年くらい前にもう辞めています。少しずつなくなっていったような印象ですね。

河合 産科の閉鎖は静かに進行していたのですね。皆さんがお産をやめてしまった理由は何でしょうか。

>>産科閉鎖の理由>>
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