妊娠8週の時点で、全員に抗体検査を
お話しいただいた小島俊行先生 |
厚生労働省の研究班は昨年、妊婦さんがもっと風疹に気をつけられるように緊急提言を出しました。以前は妊婦さんの風疹抗体検査は妊娠12週くらいでしていたのですが、提言は、流産の可能性が減少してくる8週くらいで調べるように、としています。それも、全員が調べるのがよい、ということです。
抗体が低かった人は、出産後すぐにワクチンを
そして、HI抗体の価が16倍以下だったお母さんは、出産後(産科に入院中あるいは1ヶ月健診の時など)、再び妊娠する可能性を考え、ワクチンを打つことがすすめられます。風疹のワクチンはウイルスがまだ生きている生ワクチンなので、妊娠中は打てません。でも授乳は大丈夫ですし、接種後2ヶ月経てば妊娠しても心配要りません。
家族にもワクチンを打ってもらう
風疹は大体1月から7月まで発生しますが、春に最も流行する病気です。検査費は自費になってしまうのですが、妊婦健診では風疹検査を受けられることをおすすめします。
また、抗体が低かった人は、できれば夫や上の子供の抗体も検査してもらいましょう。そして家族の抗体価も低ければ、ワクチンを打ってもらって、家庭内に風疹ウイルスが持ち込まれる可能性を減らしましょう。免疫が獲得されるまで1~2ヶ月はかかるので、早めの行動を。検査結果は一週間で出ます。子供は遅かれ早かれ個別接種で打つことになるので、少し前倒しに行うと考えればいいでしょう。
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◆厚生労働省の風しんのページは参考になります。
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◆このシリーズは、小島俊行先生(三井記念病院産婦人科部長)にご協力をいただいてお送りします。
三井記念病院産婦人科