ホルモンの変化が心の揺れを誘う
周りからは「さぞかし幸せなはず」と思われているお産前後の日々。でも実はこの時期、女性にとっては、思春期・更年期と並んで精神不安定におちいりやすい時期なのです。
原因はもちろん「ホルモンの激動」です。思春期、更年期、出産の前後という3つの 時期の共通点は、女性ホルモンが激変することです。性に関わるホルモンは、気分に も大きな影響を与えます。
妊娠中は初期と後期が不安定
また、妊婦さんや産後まもない人は、生活も身体も大変化があり、「子育て」という新たな責任ものしかかってきます。「いいお母さんになってほしい」という周りの期 待や自分の気持ちがあっても、ゆううつな気分だと思うようにできません。そんな自分にますます自信を失ってしまい、悪循環に陥ることもあるでしょう。出産前後のメ ンタルケアは、社会的要因も大きいのが特徴だと言われています。
時期別で見ると、妊娠中期はよく安定しています。しかし妊娠初期・後期は次のような特有の気分におちいりやすくなります。
・精神不安定
・涙もろい
・いらいらする
・むやみに活動するか、あるいは億劫がったり無気力になったりする
妊娠中全体で軽症のうつ病が出る確率は10~15%、と非妊時と変わりませんが、初期に偏って見られます。しかし、この時期のうつ病はたいていが軽症にとどまり、産後のような深刻な状態になることはほとんどありません。