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むくみ、蛋白尿(2ページ目)

今まで妊娠中毒症は「むくみ、高血圧、蛋白尿」が三大症状とされてきましたが、2005年春から実施される新定義では高血圧だけが重要視されました。では、むくみと蛋白尿は出てもかまわないのでしょうか?

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

蛋白尿は、重症化のサインになる


蛋白尿は、生理的現象ではありません。正常な蛋白尿というものはなく、妊娠中毒症でなければ腎臓の病気が隠れている可能性もあります。

また高血圧との関連性も強いようで、むくみよりも気にしなければなりません。特に、妊娠中毒症が引き起こす問題の中でも深刻な「子宮内胎児発育遅延=IUGR(胎児が十分に発育しない)」との関連が強く、蛋白尿が進むことは重症化のサインとされます。ただし、蛋白尿のみのケースは特に母子への悪影響が少ないことがわかっており、妊娠中毒症ではありません。

また、「1+」程度の軽い蛋白尿の場合は、尿の取り方に問題があることが多いようです。妊娠中は、すぐおりものの蛋白質がまじってしまうからです。中林先生の妊婦健診では、「1+」程度のわずかな蛋白が出た場合は「中間尿をとること」「コップ半分以上の量をとること」のふたつに注意してもらい、数時間あけて再検査します。するとほとんどの人が正常値になるそうです。

尿中蛋白質量の正確な測定は、24時間の尿を貯めて量らなければできません。今回実施される新しい分類法では軽症・重症の境界線として、高血圧の程度と尿中のたんぱく質量を記載していますが、これは24時間尿の価を用いることを基本にしています。入院などをした場合はこの方法がとられるでしょう。

>>次は一番気をつけたい高血圧について ご説明します>>
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