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「妊娠中毒症」から「妊娠高血圧症候群」に(2ページ目)

妊娠中毒症の正式名称が、「妊娠高血圧症候群」に変わることになりました。これは、この病気のとらえ方が大きく変わってきたため。さあ、最新事情を仕入れて下さい。【指導】中林正雄先生(愛育病院院長)

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

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家庭で継続的に測っていけるポータブルタイプの血圧計もあります。高血圧になった場合は貸し出されることも。

名称変更は国際的な動き


しかし研究が進むにつれ、いくら胎盤などを探しても、毒のような物質は見つけられませんでした。また、三大症状と言われてきた「高血圧、蛋白尿、むくみ」も、高血圧以外は必ずしも危険サインではないことがわかってきました。

そうしたことから、高血圧こそ、この病気の肝心な部分だと考えられるようになります。そして、名前も、定義も見直そうという動きが国際的に起こってきました。日本の学会による今回の変更も、その流れの中にあるのです。

新定義では、高血圧がなければこの病気ではない


2005年春から使われる新しい名称と定義は次の通りです。

1.名称
従来"妊娠中毒症"と称した病態は妊娠高血圧症候群(pregnancy induced hypertension;PIH)との名称に改める。

2.定義
妊娠20週以降、分娩後20週まで高血圧が見られる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないものをいう。


ちなみに、現在の定義は「妊娠に高血圧・蛋白尿・浮腫(むくみ)の1つもしくは2つ以上の症状がみられ、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないもの」となっています。

つまり、旧定義では「蛋白尿」あるいは「むくみ」だけでも妊娠中毒症と診断されたのですが、新定義では、高血圧を伴わない限り病気ではないということになりました。むくみに至っては、定義から姿が消えてしまいました。

長い間、私たちは「高血圧、蛋白尿、むくみ」を妊娠中毒症と考えてきたわけですが、これからは、それぞれの症状をどう考えていけばいいのでしょう。「蛋白尿」「むくみ」を気にするのは、もう意味がないのでしょうか?

■続きの記事を読む
むくみ、蛋白尿



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愛育病院院長・中林正雄先生
◆この記事は、名称変更に関わった委員でいらした愛育病院院長・中林正雄先生(産婦人科医)のご指導をもとに構成しました。 愛育病院
<参考資料>『産婦人科治療』(永井書店)2004年5月号「特集・妊娠中毒症とその管理」
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