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危機?! 病院出産のクオリティー(2ページ目)

少産化の影響により、病院の産科では他科との混合病棟化が進んでいます。助産師の福井トシ子さん(杏林大学医学部付属病院看護部長)に病院の産科が抱える事情をうかがいました。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

少産が病院出産に「選択」を迫っている


河合 福井さんが勤務されている杏林大学医学部付属病院は現在産科だけの単独病棟ですが、かつては混合だったとか。

福井 婦人科と一緒でした。診療科長が不妊症の専門だったときは、不妊症の人たちとお産の人たちがたえず一緒でした。新生児室の前が、体外受精のための採卵室だったこともあります。

河合 それは、かなりつらい構造ですね。そもそも、日本ではすぐ「産婦人科」と言って子宮や卵巣に関係することをひとつの部門にまとめてしまいますね。でも生身の女性の気持ちを考えると、それは、病院の便利さのために心が無視されている状態だと思います。英語では、産婦人科という言葉はなく、「産科」「婦人科」と別々に表現しますよね。

福井 確かに英語に「産婦人科」という言葉はありませんね。でも日本では医師がどうしても両方を兼ねてしまうので、動線を考えると分けるのはとても難しいのです。

>>なぜ杏林は「産科」だけにできたのでしょう?>>
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