流産を経験した人は「また流産するのでは」という不安にかられます。流産は繰り返すものなのでしょうか? 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科講師/藤井知行先生にお聞きしました。
2回までの流産なら、あまり心配しない
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科講師/藤井知行先生 |
1回流産をした人が次の妊娠で流産する確率は約12%、2回流産した人の流産率は約20%と言われています。
一度流産をすると「また流産するのではないか」と思ってしまいますが、流産経験者の流産率は、2回までならたいして上昇しません。2回繰り返したとしても、「単に偶然が重なっただけ」の可能性が高いといえます。どうしても心配、という方は検査をしてもいいのですが、普通は、安心して次の赤ちゃんを考えてかまいません。
次の妊娠は、大事を取って「生理が2~3度来てから」とよく言われます。でも、通常は1回生理が来ていれば大丈夫です。
3回連続したら、習慣流産の検査を
しかし、3回以上続けて流産すると「習慣流産」と言い、次の妊娠で流産する率は40~60%になってしまいます。3回連続して流産が起きる確率はわずか0.3%くらいのものですが、もしそうなったら、検査や治療をした方がいいと思います。
通常、流産の原因は赤ちゃん側にあることが多いのですが、3回流産した人の場合、親側に理由があるケースも多いのです。検査でその理由をつきとめることができれば、場合によっては効果的な治療が期待できます。