
1.赤ちゃんの顔が、おっぱいにまっすぐ正対していること
お顔がまがっていると、乳首のくわえ方が浅くなりがち。偏ったくわえ方をすることにもなり、無理な力が加わったところが傷になる。
2.赤ちゃんのカラダがよじれていないこと
大人でも、首だけ横に向けて食事するのはつらい。赤ちゃんも、それでは正しく飲んでくれない。
3.お母さんが楽な姿勢をとっていること
前屈みはつらい。もたれたり、赤ちゃんを堅めのクッションに載せて高くし、胸の位置につれてくるのも大事だ。
以上の基本が守られていれば、どんな姿勢でも自由にしていいという。添い寝、添え乳だって、立派な、正しい授乳姿勢だ。北野さんは、疲労が激しい出産直後の数日は、9割方添い寝でいいと考えている。

テーブル授乳の良さは、赤ちゃんの重みを全部テーブルにあずけられてラクだし、授乳しながら両手で何でもできることだ。書き物もできるし、パソコンのキーボードも打てる。

北野さんは、病院の助産師だったときは、授乳の苦労はよくわからなかったという。でも開業して自治体の新生児訪問をするようになり、そこで初めて、夜も昼も無理な姿勢で長時間授乳をし続け、乳首が傷つき、心身共にくたくになっている人をたくさん見た。
「母乳が大変、ってこぼしたら母性本能が足りないみたいに思われちゃう」と我慢している人も多かった。その我慢が、実は、疲労、ストレスとなり、母乳不足やトラブルのもとになっているのに。
リラックスしてこそ、母乳は産出される。母乳を作るホルモンは、母親が楽にしていないと出ないのだ。らくらく授乳に、賛成!
写真上・赤ちゃん人形を使って説明する北野寿美代さん 助産院 北野ミッドワイフリー(愛知)
写真下・『おっぱいでらくらくすくすく育児』金森あかね監修/北野寿美代著 メディカ出版 2002 ¥1,400
イラスト・平井さくら
取材協力・カネソン本舗 ホームページ「おっぱい育児WEB」