株・株式投資

不景気に逆行するメガネ屋社長が語る8つの経営術(1)

世の中不景気だ、不景気だといわれているが、そんなのどこ吹く風。不景気の「ふ」の字もない会社がある。「株式会社オンデーズ」。簡単に言うと「メガネ屋」だ。しかしながら、なぜそんなに元気なのか?その秘訣を社長に聞いた。彼の持つ経営術を学ぶ。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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不景気をものともしない会社があった

2008年のリーマンショックを機に世の中が陥った不景気。その暗い影が消える気配はまだまだ感じることができない。しかも昨今の円高・株安。企業への打撃は大きく、爪痕は深い。そんな中で、着実に店舗数を増やし快進撃を続ける、まさしくプラスの意味で世の中に逆行している会社があった。

株式会社オンデーズ

快進撃を続けるオンデーズ。写真は川崎ダイス店。

快進撃を続けるオンデーズ。写真は川崎ダイス店。

オンデーズを一言で、しかも誰もが理解できるように表現するのであれば「メガネ屋」だ。ただし、一般的に考えられてきたメガネ屋とは一味違う。まずは価格設定。わかりやすく3つに区分し、それに加えてロープライスを特徴の1つとしている。しかも、2本目半額というサービスをメガネ業界に取り入れてきた、革新的な「メガネ屋」でもある。

高いと言われてきたメガネの常識などモノともせずに突き進み、メガネ業界に新風を巻き起こそうとしている風雲児が舵をとるオンデーズ。その強さの本当の理由を、社長の田中修治氏に聞いた。

経営術その1 不景気は考え方次第 

ガイド:2008年のリーマンショック後からずっと景気が悪いと言われてますが、田中さんとしては、どう感じてます?

社長の田中修治さん。

社長の田中修治さん。

田中修治氏 (以下、田中):世の中「不景気、不景気」と言ってますが、実はあまり実感がないんです。僕は20歳で商売を始めたのですが、その年は、山一證券や拓銀が破綻したりと、まさにバブル崩壊の象徴のような年でした。そこが自分の商売のスタートだったので、そもそも世間でよく言われるような「好景気」を経験したことがないように思います。ですから、今の世の中の状況を見ても特に不景気という実感は感じていません。

ガイド:多くの企業が景気が悪いって言っていることについては?たとえば、IRを見ると、出だしはどの企業もほとんど同じですよね。ネガティブな感じで。

経営術その2 業績不振を不景気のせいにしてはいけない 

田中:そもそも、景気が悪いことを業績不振の理由にすることがありますけど、結局考え方次第だと思うんですよ。景気が悪くても売れている商品はあるし、支持されるサービスは存在する。もちろん業績が伸びている会社も星の数程あります。でも、業績が悪いことを不景気だからとか、競合店ができたからとか、従業員がダメだから…と周囲のせいにして考えてしまったら、経営者自身の中に不振の原因を求めなくなるわけです。そうすると、何も改善できなくなって、結局業績は良くならないんだと思うんです。

ガイド:とはいっても景気が大きく影響する業種もありますよ。

田中:確かに景気の影響を受ける業種や会社もありますよ。たとえば、トヨタ自動車とかソニーなどは、企業の規模が相当大きくなっているので、日本経済のお金の流通量が増減したり為替が少しでも変動すると深く影響を受けるでしょうから、景気の良し悪しや国の政策はすごく重要でしょうね。でも一方で中小企業は、そのようなマクロ経済の影響をあまり受けないように思うんです。ただし、大企業の下請けの中小企業以外の話ですけどね。

ガイド:そういう企業は大会社の子会社のようなイメージですよね?

田中:そういった会社を独立した会社と位置付けていいのかと考えると、僕の感覚としても大企業の子会社のようなイメージなんですよ。実際にかなり依存してしまっている場合もあるから、仕事をくれる大企業が危ういとなったら自分のところも危うくなってしまう。

では、こういった企業はどういう対策を取ればいいのか?次のページで話を聞くとしよう。
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