「借り暮らし」の魅力・その2 手作りがいっぱい!
アリエッティの家の廊下。壁の絵は「切手」。(C)2010 GNDHDDTW Production Design Yohei Taneda
アリエッティたちの家は、使い良さそうで温かみがあって素敵です。それは、「借りる」だけでなく、絶えず手を動かして、自分たちの暮らしにふさわしいモノを作り出しているから。アリエッティのベッドカバーは、お母さん手作りのキルトです。きっと、「借りて」きた布の切れ端を、自分なりにデザインしたんでしょうね。お父さんの部屋は小さな工房で、鍛冶屋のように金属を溶かしたり叩いたりして、自分たちサイズのさまざまな道具を作っています。
お母さんの憧れは、「いつか海を見ること」ですが、見たことのない海の写真を、手作りの窓の外に立てかけて、「借景(?)」にしています。「買えないから我慢する」「売ってないから仕方ない」じゃなく、私たちも、「なければ作ってみる」気持ちを大切にしたいですね。
「借り暮らし」の魅力・その3 自然を取り入れた暮らし
アリエッティの家は、光の届かない床下なのに、あらゆるところに緑がいっぱいです。あちこちにグリーンや花、木の実を飾っていますが、それは皆、表の庭からとってきたもの。飾るだけでなく、彼らはハーブでお茶を淹れたり、お料理に使ったりして暮らしています。自然を上手に取り入れた暮らしは、とても豊かで美しく見えます。床下ならぬ高層マンションにいても、こういった暮らし方は真似できそうです。
「借り暮らし」の魅力・その4 家族愛
「借りぐらし」の最後の生き残り? 家族3人肩寄せ合って暮らす(映画『借りぐらしのアリエッティ』より)
「借りすぎない」知恵
映画の中で、男の子(翔)に素晴らしいドールハウスをプレゼントされたアリエッティ一家。しかし、お父さんはその贈り物を固辞します。「借り」はしても「借りすぎない」節度をもったその姿勢は、環境汚染や資源の枯渇が懸念される私たち人間すべてにとって、今とても必要なものではないでしょうか。『アリエッティ』の世界を体感しよう!
とにかく、描き込みの緻密さに、思わず画面を止めて見入ってしまいたくなる『アリエッティ』。できれば、その世界に入り込んで、ゆっくり見て回りたい……。そんなあなたは、今なら東京都現代美術館(東京都江東区)で、それが叶います! 『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平』展では、映画美術監督・種田陽平氏が現実のセットとして再現した『アリエッティ』の世界を、実際に体感することができます。映画を見てから、あるいは見る前、一度足を運んでみては?『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』
2010年7月17日(土)~10月3日(日)
東京都現代美術館にて開催中!