長く暮らすための仕様や工夫がいっぱい
説明を受けると、あちらこちらに長期優良住宅ならではの特徴が見られました。例えば、耐久・耐震性については劣化しにくいコンクリートを使用し、劣化対策では最高の等級3を、耐震等級は等級2を確保しています。さらに、配管類のメンテナンスや交換がしやすく、全面リフォームにも対応できるようにスケルトン・インフィルを採用しています。また、この物件は長期優良住宅先導的モデル事業に採択されているので、さらなる工夫も見られました。耐久性の高いステンレス共用給水配管を使い、将来、継ぎ手やバルブの交換がしやすいように、特別な接続方法を採用。可変性の面では、従来の二重床・二重天井の進化型ともいえる床先行の二重床工法を取り入れています。壁を先行して施工すると、間仕切りを変更する大掛かりなリフォームをするとき、床を最初から作り直さないといけませんが、床先行なら該当部分の補修だけですむので、工事費を抑えることができるのです。定期点検の回数もほかの物件よりかなり多くなっています。
物件が増えれば人々の関心も高まる?
残り住戸もわずかで完売目前だというので、どんな人が購入しているのか、聞いてみました。モデルルームオープン時は、マスコミや業界関係者の訪問がとても多かったそうですが、意外だったのは一般の人の動き。最初から長期優良住宅であることを知っていてモデルルームを訪れた人は半分くらいだったのだとか。「立地が気に入ったから」という人が圧倒的に多く、「供給・施工会社名」を理由に挙げた人も目立ったようです。性能やメンテナンスについて関心のある人は少ないのでしょうか(写真と本文は関係ありません)
「資産価値」という言葉にすると大きな反応を示す人は多いのに、長期優良住宅とか、住宅の寿命という言葉に置き換えると、あまり関心のない人が多くなってしまうのは、なぜなんでしょうか。