私たちを守ってくれるセイフティネットのしくみは?
公的年金制度は老後の生活を支える大切な社会保障制度の1つですが、加入する制度はおもにその人の職業によって決まっています。公的年金以外の日本の社会保障制度も、年金制度と同様に、おもにその人の職業によって加入する制度が決まっていて、その保障内容にも違いがみられます。今回は、公的年金以外の日本の社会保障制度のしくみについて、会社員とフリーランス・自営業者のそれぞれが対象となる制度を比較しながらご案内します。
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日本の社会保障制度の全体像
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会社員とフリーランス・自営業者の公的医療保険の比較
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会社員とフリーランス・自営業の介護保険制度の比較
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その他の社会保障制度に違いは?
日本の社会保障制度の全体像
日本の社会保障制度は、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットとして、次のような4つの機能を持っています。
(厚生労働省HPより)
また、日本の社会保障制度は昭和20年代、戦後の混乱期における栄養改善や伝染病予防、生活援護といった「救貧」を目的とするところから始まり、以下のような変遷をたどって、現在のような制度体系ができあがりました。
(厚生労働省HPより)
現在の社会保障制度は少子高齢化に対応し、将来的に持続可能な制度体系の構築が期待されています。平成16年の年金制度改正や後期高齢者医療制度の導入など、少子高齢化に向けた制度改正は行われていますが、現在も検討が進められている課題でもあります。また、経済が安定し、生活が豊かになった現在で最も重視されている社会保障制度は「社会保険制度(年金・医療・介護)」の分野でしょう。このうち、公的年金制度についてはこれまでも会社員とフリーランス・自営業者の制度を比較してきましたが、今回は年金制度以外の医療・介護の分野で会社員とフリーランス・自営業者の制度を比較してみましょう。