まだ40代の人は「老後=67歳」「老後=70歳」の覚悟も!?
なお、「老後=65」の公式は、この先変化する可能性があります。それは、国の年金受給開始年齢がさらに引き上げられる可能性があるからです。国の年金受取期間は過去の制度から考えても平均10年程度が適当だと考えられますが(年金の支払年数が長いほど国の負担が大きくなる)、現在では約20年近いものになっています。
諸外国では、日本より平均寿命が短いにも関わらず、年金の受取開始年齢について、67歳開始や68歳開始の制度へ切り替えを進めています。日本でも同じような議論が行われることになるのはほぼ確実です。
もしそうなったときは、今まで述べた準備を「67歳バージョン」「70歳バージョン」と読み替えて考えてみてください。また、今から早めにそうした頭に切り換えておくのもいいでしょう。
おそらく働ける環境そのものは67歳、70歳に伸びていくと思いますが、もらえる給料は下がることになると思います(たとえばアルバイト並の時給になるなど)。また健康の不安もあるでしょう。60歳以降の仕事の収入は、60歳以降の生活の支出にそのまま回るくらいに考えておいたほうが賢明です。(つまり、60歳以降の収入は貯蓄はできないと考える)
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「老後=65歳」の話をまじめに考えるとなかなか大変なテーマであることが分かります。しかし、ぜひ真剣に考えて欲しいテーマでもあります。
国民の8割以上は65歳まで元気に暮らしていくことになります。おそらくこのコラムを読んだあなたも65歳を過ぎて年金生活に入るまでのお金のやりくりを考えなければなりません。
そのとき「えっ、老後って60歳からじゃなかったの?」と慌てるようでは、大変ですし、取り返しがつきません。少なくとも「老後はろうご(65)」ということは覚えておいてください。