Baa、BBB以上と未満、そこには大きな溝がある
利回りだけじゃなく、安全性にも注目 |
ムーディーズ・ジャパンによると、過去、投資期間5年の発行体がデフォルト(利息や償還金の約束が守られないこと)に陥った割合は、格付けAaaの場合は「1000社中、1社あるかないか」という程度。投資適格とみなされるギリギリラインのBaaでも「1000社中、約20社」くらい。ところが、投資不適格とみなされるBaになると「1000社中、約100社」になります。投資適格格付と投機的格付の間には、大きな差があるようです。
利回りと安全性は、相反する関係
債券を選ぶときは利回りと安全性を見ますが、難しいのは、この2点は基本的に相反する関係にあるということです。同時期に発行される他の債券に比べて利回りが高く、パッと見て魅力的に見える債券は、安全性が低いのが一般的です。なぜかというと、安全性の低い債券は、利回りを高くして魅力的にしないと、誰も買ってくれないからです。安全性が高い債券は、そのこと自体が魅力になりますので、利回りが低めでも「安全なところにお金を預けておきたい」という人たちが買ってくれます。
私たち個人投資家が選ぶべきは、やはり投資適格等級の債券でしょう。個々人の資産状況や運用のスタンスなどにもよりますが、国内の債券でBaa格以上、外債ならA格以上を基本(先進国の債券が基本になると思います)にするのがよいのではないかと思います。リスクを取ってでも利殖性の高いものを買いたいと思う場合は、債券ではなく、株式を選んではどうでしょうか。資産のバランスを考える上で、株式で利殖性を目指し、債券で安全性を確保するのが基本です。債券で冒険をする必要はないと思います。