銀行は免許制、大きく2つの種類に分かれる
銀行は、法律上、また規模や営業地域などの業態により、いくつかの種類に分けられます
- 普通銀行
- 信託銀行
<目次>
大手都市銀行も地方銀行も普通銀行、新しいタイプも登場
普通銀行は、さらに、いくつかに分けることができます。普通銀行を、規模や、営業している地域、成り立ちで分けると次のようになります。- 都市銀行
- 地方銀行
- 第二地方銀行
- 新しいタイプの銀行
●都市銀行
大都市に本店をおき、全国規模でサービスを行なっています。経営統合などにより、現在は、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行です。
●地方銀行
地方都市に本店をおき、地域経済を営業の地盤としています。横浜銀行、千葉銀行など。全国地方銀行協会に加盟する64行です。
●第2地方銀行
地方都市に本店をおき、地域経済を営業の地盤としている点は地方銀行と同じですが、もともと相互銀行だったところが多いのが特徴です。東京スター銀行、みなと銀行など。みなと銀行は、関西みらいフィナンシャルグループのもとで、関西アーバン銀行、みなと銀行、近畿大阪銀行が経営統合して2018年に誕生しました。少子高齢化による地域の人口減少に対応するため、ここ数年、第二地方銀行では統合が進められて数が減っています。第二地方銀行協会に加盟する38行です。
●新しいタイプの銀行
すでに利用している方もいるかもしれません。インターネット専業銀行や、スマホ銀行など、新しいタイプの銀行が生まれています。また、かつての長期信用銀行が、名称を変え個人向けのサービスを重視する銀行として生まれ変わっています。これらも新しいタイプの銀行の仲間といえそうです。ジャパンネット銀行、楽天銀行、ソニー銀行、auじぶん銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行、イオン銀行、大和ネクスト銀行、新生銀行、あおぞら銀行、GMOあおぞらネット銀行、ゆうちょ銀行などです。
財産の管理や運用を代行するのが信託銀行
金銭のほか、証券や土地などの管理・運用を委託されて行なうのが信託銀行
多くの財産を持っているわけじゃないから、信託銀行は関係ないというわけでもありません。
投資信託を買ったことがある方は、信託報酬という手数料をご存知ですよね? 投資信託の運用方針を決めるのは運用会社ですが、実際にお金を管理して株式などの売買を行なうのは信託銀行です。つまり投資信託を持っている人は、信託銀行に信託報酬を払っていることになります。
また、相続の際の事務手続きはとても煩雑ですが、信託銀行では事務手続きを代行する遺言信託なども行なっています。
人生100年時代と言われていますが、高齢になると自分で自分のお金の管理をするのが難しくなるケースも増えてきます。信託銀行の「信託」の仕組みを使って、例えば認知症が心配な親の代わりに子どもが代理でお金を引き出したりできる新しいサービスを提供する信託銀行もあります。
銀行と同じように利用できる信用金庫、厳密には銀行とは違う
地域密着型の金融機関である信用金庫を利用している方もいらっしゃることでしょう。お金を預けたり、住宅ローンを借りたりと、銀行と同じようなサービスが利用できる信用金庫。でも実は、銀行ではありません。株式会社である銀行に対して、信用金庫や信用組合、労働金庫などは、協同組合形態の金融機関です。会員や組合員の相互扶助が目的です。だから、利用できるのは組合員や会員であることが原則。例えば信用金庫の場合、営業区域内に住所や事業所があるなど、会員になるための条件があります。ただし、会員や組合員以外の取引(員外取引)も一定の範囲内で認められています。
信用金庫や信用組合は、規模の点では銀行に及びませんが、その性質上、独自のサービスを行なっているところも多くあります。住んでいる地域や、職業によっては、協同組合形態の金融機関を上手に利用することで、金融商品・サービスの幅が広がります。