クラシック演奏会も
セミナーで講演した丸山さんは、元・楽器店の音大人脈と音楽知識を生かして賃貸管理業に。首都圏の音大生・音大受験生向けに、室内で本格演奏できる防音賃貸を提供。最近は家電レンタルや練習スタジオ斡旋、音大受験情報サービス、シーズンオフの衣類・布団保管サービスなど、女子学生のこだわりを満たすトータルなライフサービスを展開しています。そのクチコミで満室行列状態が続いているとか。
「賃貸の主導権は、借りる女性はもちろん、物件を決める母親も含めて圧倒的に女性が握っている」と丸山さん。
20代新入社員女性から、バツイチ40代女性まで
参加していた女性は20~50代まで幅広く、何人かと話をしてみると、まさに今という時代を反映していることに気づきます。
≪大企業に今春入社したばかりの20代女性A子さん≫
リアル女性による不動産投資体験談も
A子さんは誰もがうらやむような有名大企業に今春入社したばかり。しかし、会社の業績は不況で芳しくなく、かつての右肩上がりの収入は期待できない。数年で辞めていく先輩女性たちの姿を見て早くも将来の不安を感じたとか。将来、結婚しても収入不動産を持っていれば、家計リスクを軽減することができ、結婚生活にも寄与しそうだと思い、今回初参加したそうです。
≪中高生の子どものいるバツイチ40代女性B子さん≫
B子さんは数年前に離婚。中高生の2人の子どもは引き取って女手一人で育てている。神奈川県のタワーマンションを購入。親が所有していたビルを経営しているため、テナント収入はあるものの、パート勤務も並行。これから増える子どもの教育費に備えて、より効率的に不動産経営したいと、勉強会に参加。「女性は結婚して安定するわけじゃない。何歳になっても自分や子どもの生活費くらいは収入を得る手段を考えていかなきゃ!」と若い参加女性たちに話していた言葉に妙に納得?! 中には持ち家はあえて買わずに、アパートを数棟所有している既婚女性もいました。
将来の生活リスクに女性は男性よりも敏感?
これからは女性も生涯にわたって経済的自立していく時代?
今や、女性にとって不動産は「持ち家」「所有するもの」が当たり前だった時代から、「収入を得ていく資産」としての認識が男性以上に強くなっているのでしょうか? 男性は企業に勤めている限り一定収入が期待できますが、既婚女性は出産や離婚など将来のライフスタイルの変化が大きく、その分だけ男性よりも敏感に収入リスクを考えているからかもしれません。住宅業界も「奥様業」「子育て業」「家づくり」以外の女性の収入スタイルを提案していく時代になっているような気がします。