イベントのパンフタイトルは「東京にも必ず来る!」
東京都都市整備局が「東京にも必ず来る大地震」と謳うのは、よっぽどのこと?
パンフの案内文を一部引用しましょう。「南関東で今後30年以内にマグニチュード(以下M)7クラスの地震が発生する確率は70%といわれています。過去の大地震で倒壊した建物の多くは、昭和56年以前の古い構造基準で建築されたものです。東京都では、区市町村や関係団体と連携して、イベントやバス見学会、展示相談会などを一斉に展開するキャンペーンを、8/28~9/12まで開催。入場はすべて無料。家族一人ひとりが耐震化を真剣に考えませんか?」
耐震フォーラム風景
ガイドの講演内容は別記事をご覧いただくとして、ここでは、ガイド以外のフォーラム内容をレポートさせていただきましょう。東京都議会議事堂都民ホールには、猛暑の土曜日にもかかわらず160名が参加。東京耐震化推進都民会議会長である樋口公啓・東京海上日動火災保険相談役より開会の挨拶が行われた後、衝撃的かつ感動的な大地震リアルシミュレーションアニメが放映されました。
地震アニメの舞台は「台場~世田谷」
ストーリーをかいつまんでお話すると、中学生の姉と小学生の弟が夏休みにお台場で行われていたロボット展に来ていた最中に、M8.0の直下地震に遭遇。ガレキの下から弟を救いだし、海上バスに乗って東京タワー麓の芝公園に一時避難。そこで食糧支給を受けたのですが、余震で東京タワーが何と倒壊。弟の上に大きな落下物が落ち、かわいそうに命を落とします。平成21年度文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した感動&衝撃アニメ「東京マグニチュード8.0」
このアニメ「東京マグニチュード8.0」のサブタイトルは、「家族に会いたい、と初めて思った」。ずっと反抗気味で弟も邪魔扱いしていた中学生の姉が、家族の大切さに気付くことをテーマにしたものでした。フジテレビ本社屋やベイブリッジ、三軒茶屋の高速道路など、背景の描写もかなりリアルなものでした。フジテレビの深夜枠で連続シリーズで放映されていたそうなのでご覧になった読者もいるかもしれませんね。
ガイド自身、ちょうど亡くなったユウキ君と同じ小学生の子どもがいることもあり、つい感情移入して号泣してしまいました。そして、世のお母さん方に耐震化の大切さを訴えるのに、リフォーム減税のオトクさ以上に、こうしたリアルシミュレーションアニメを小中学校の保護者会などに放映すれば、もっと危機管理意識を喚起できるのではないかと思いました。
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