小麦の産地はロシアだけではないが……
2007~08年にはオーストラリアで小麦不作が起こり、この時は日本も影響を受けました。しかし、今回とその時では事情が違います。小麦はアメリカ、カナダ、EU、オーストラリアなど、世界のいろいろな国が生産地になっています。各国は生産量をある程度統制していて、必要であれば増産することも可能な体制になっています。
2008年オーストラリアの小麦不作時は、アメリカやEUが増産して、世界の小麦供給量に貢献しました。今回ロシアが輸出禁止をしたとしても、アメリカやEUなどが増産して乗り切ることも可能です。
ただ問題は、ロシアの干ばつが長期化したり、他国でも小麦の不作が起こった場合になるでしょう。ある程度なら他国の増産で乗り切り、日本にも影響はそれほどないまま済むと思われます。
しかし、ロシアの干ばつが長期化したり、他国でも不作になると、小麦の供給量が追い付かなくなり、他国の輸出が日本に向かなくなることも考えられます。そうなると、日本にも影響が出てくるでしょう。