常緑樹とは
日本庭園では常緑樹が多く植栽されている
常緑樹とは、年間を通して葉が緑の状態を保つ樹木のことです。枝から生じた葉は数年で落葉しますが、落葉樹のように一時にすべての葉が落ちるわけではないため、目立ちません。
常緑樹は葉の形態により、針葉常緑樹と広葉常緑樹に大別されます。また落葉樹と同様に、成木の樹高によって高木、中木、低木と分類することもできます。
なお、基本的に常緑樹の性質を持つものでも、気象条件が自生地と異なるため冬期に落葉してしまうものを、半常緑樹(半広葉樹とも)と呼びます。
庭木としての常緑樹
列植して目隠しや庭の背景にも
一年中緑を保つという特性から、常緑樹は古くから生垣に利用されてきました。常緑樹を列植することで茂った葉による「面」ができ、これによって目隠し効果が得られますし、庭の背景にもなるのです。もちろんこういった脇役としてではなく、マツやモッコク、ヒノキなど庭の主役となる常緑樹もたくさんあります。ツバキやツツジ、ジンチョウゲなど花が美しい常緑樹も人気があります。
庭木として人気のある常緑樹としてはアオキ、アセビ、カナメモチ、キンモクセイ、ゲッケイジュ、サザンカ、サンゴジュ、シャクナゲ、ソヨゴ、ナンテン、ヒイラギ、ヒサカキ、マサキ、ユズリハなどが挙げられます。
常緑樹の植え付けと管理
ツバキやサザンカなども人気
常緑樹の植え付け時期は樹種によっても異なりますが、根つきが良いのは春の芽吹き前や梅雨時、残暑が治まった秋頃になります。木の選び方と植え方については「
庭木・花木の植え方」で解説していますので、ご参照ください。
常緑樹の植え場所は、落葉樹と同様に木の持つ性質に合わせて吟味します。庭づくりの際は、植えたい場所に合った性質の木の中から樹種を選ぶというパターンも考えられるでしょう。
常緑樹の剪定
マツは独特の手入れが必要
常緑樹の剪定時期は、10月~翌年の3月頃が適しています。常緑広葉樹の場合は、春からの生育が一段落する6月頃も適期です。またマツに関しては、新芽を摘んで枝の数や長さを調整する「みどり摘み」や、秋からの剪定時に手で古葉をむしり取る「もみあげ」といった特別な手入れがあります。
このほか庭木の剪定については「
庭木・花木の剪定」で詳しく解説していますので、ご参照ください。