夏休みもたけなわ。お子さんの読書に、リゾートのお供に、「漂流記」はいかがですか? そこには、シンプルライフの奥深いエッセンスがこめられているのです。

読んでますか? 漂流記

漂流こそ、シンプルライフの原点!?

漂流こそ、シンプルライフの原点!?

文学、ノンフィクションで時々みられる「漂流記」。ガイドは子供の頃から、この漂流記というのが大好きでした。

フィクション、ノンフィクションに関わらず、漂流記の舞台は無人島。船が遭難して、打ち上げられた島で、一人または複数の人間が、わずかな物資とおのれの知力体力だけを頼りに、人間らしい暮らしを作り上げ、救出されるまでをたくましく生き抜く、というのがそのストーリーです。
この極限状況に、シンプルライフのエッセンスが凝縮していると思いませんか?
ここでは、夏のひとときに楽しみたい、代表的な漂流記を集めてご紹介します。
 

お子様におすすめ! 名作漂流記

『ロビンソン・クルーソー』  
ダニエル・デフォー著 海保 眞夫訳 
岩波少年文庫 756円

これぞ元祖漂流記! 主人公ロビンソン・クルーソーは、乗っていた船が嵐に遭い、無人島に漂着します。乗組員は全滅、半壊した船から物資を運び出し、ロビンソンはたった一人で大自然と立ち向かい、この島で生き抜くことになります。彼の孤独との戦い、困難を克服する知恵と勇気が、このお話の見所。

物語の終盤近く、彼によって救出される現地人「フライデー」に対する、無前提な人種差別意識など、18世紀という時代を感じさせる部分はありますが、わくわくするような冒険譚としての魅力は失われません。ロビンソンのモデルとなったセルカークという人物が実在し、実際に無人島で生活していたことを、日本人探検家が調査証明したことは記憶に新しい。


『二年間の休暇』(上・下)
ジュール・ベルヌ著 朝倉剛訳
福音館文庫  上735円、下683円

『十五少年漂流記』のタイトルでも知られますが、こちらは漂流してしまうのが子供の集団という、少年少女にピッタリのシチュエーション。寄宿学校の男子生徒たち15人が、嵐のため無人島に漂着し、子供だけの力で、救出されるまでの二年間を生き延びる、というストーリーです。

学園ドラマさながら、そこには対立劇もあり、子供なりの複雑な人間関係があるのですが、それをも乗り越えて、子供たちは立派に成長していきます。物語の年代は、1860年。作者は、SFの祖、ジュール・ベルヌです。大人なら、映画『蝿の王』(こちらは悲劇)も併せて見ると興味深いかもしれません。


『家なき娘』  
エクトール・マロ著 二宮フサ訳
偕成社文庫 上下各735円

アニメ『ペリーヌ物語』の原作である本書。フランス人の父とインド人の母の間に生まれ、インドで育ったペリーヌは、父を亡くしてフランスに戻るも、母までも失ってしまいます。孤児となったペリーヌは、たった一人で父の故郷に向かい、祖父との対面を果たそうとするのですが、父は祖父から勘当状態。持ち前の機転と賢さで、素性を隠して祖父の経営する紡績会社で働き始めるペリーヌですが……。

海が舞台でもなく、当然、ペリーヌは漂流もしないのですが、年端もいかぬ少女が、一人で旅を続け、宿がないときは野宿したり、釣った魚を食べたりするなど、「ありえんだろー!」と突っ込みたくなるような「漂流」まがいのサバイバルが描かれています。女の子向けの漂流記としてどうぞ。