お七夜とは古来おこなわれていた儀式で、生後7日目に親類を招いて誕生と氏名を正式に発表するものです。したがってその日までに名前を決定していましたが、最近はこの習慣はかなり少なくなっています。
お七夜はかなり古い習慣
お七夜の儀式は、最近は行われなくなってきている
日本にはかなり古くから「お七夜」という習慣があり、お子さんが生まれて7日目にお祝いをしました。親類一同を家に招き、お赤飯をたき、お正月と同じように鯛や昆布を使ったお料理をふるまいました。
そのとき「命名書」を赤ちゃんの枕元か神棚などに貼り、みなに名前を発表しましたので、その日までにどうしても名前を決めなければならなかったのです。ただし名づけを他人に依頼する人もよくあり、名づけ親が名前を発表するということもあったようです。命名書は基本的には半紙に筆を使って、「父親の名前」、「子の名前」、「生年月日」を縦書きに3行で書くのが習慣です。この命名書はそのあと1~3ヶ月くらいのあいだずっと貼っておいて、来客にも名前がわかるようにしていました。
お七夜の習慣の問題点を知っておこう
お祝い事の話に水をさすようで申し訳ありませんが、このお七夜の習慣を基準にして名づけを考えるということになりますと、名づけの専門家からみて問題がないわけではありません。それはつぎのようなことです。
まずお七夜というのは、親戚一同が比較的近い所に住み、家の繋がりを重視する農村的な風習であったといえます。いわばその子が一族に認知されるという儀式で、家制度が濃く反映されているということです。
もうひとつ、昔はお七夜でみなに名前を発表したあとで、役場に出生届を出すことが多かったのですが、それは順序が逆だということです。お七夜に発表してしまった名前は役所に届けるときにもはや変更しにくくなり、また「名前は両親がこの名前にしようと決めたとき決まるのだ」という誤解を生みやすいのです。