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パパ助けて!水難事故を防ぐ方法

「サバイバル・フローティング」という言葉をご存知ですか? 現在スイミングスクールや小中学校の水泳授業では「サバイバル・フローティング(命を守る着衣泳)」への普及活動が始まっています。

執筆者:遠藤 雅大

プールや海水浴、ちょっと待った!

水辺には危険がいっぱい!
楽しい反面、水辺には危険がいっぱいです!
プールや海水浴など、もうすぐ家族やグループでお子様を連れて水辺へ出かける季節がやって来ます。水遊びを楽しく過すために注意したいのが水難事故です。

WHO(世界保健機構)によると溺水による死亡者は世界中で年間約450万人、日本では2003年に5,881人、2004年に5,716人と毎年5,000人以上が亡くなられています。楽しいはずのレジャーが一瞬にして悲劇の事故に……。そうならないためにも父親として少し勉強しておきましょう。

みなさんは、「サバイバル・フローティング」や「着衣泳」という言葉を聞いたことがありますか?

救助に向かうレスキュー隊員の願いとは…

とにかく浮いていてくれ!あなたが浮いているうちに助けたい!
とにかく浮いていれば、助けがきます!
「とにかく浮いていてくれ!あなたが浮いているうちに助けたい!」

高知県消防防災航空隊で自らヘリコプターの操縦桿を握り救助活動にあたる山崎静夫さんは、6月10日に新潟県の長岡技術科学大学で行われた「第4回着衣泳研究大会」の招待講演でこう訴えた。

水難事故は一刻を争うため、「助ける側、助けられる側、そして通報する側」の三者共に初動対応が難しく、救助に向かうヘリコプターの中で彼らレスキュー隊員が願うのは「とにかく浮いていてくれ!」、この一言に尽きるという。

では、救助を待つ間、長時間浮いているためにはどうすればよいのでしょうか?

サバイバル・フローティング-命を守る着衣泳-

衣服を身に着けたまま不意に川や海に転落した場合、泳力のない幼児が自力で沿岸までたどり着くことはきわめて困難、泳ぎを心得た大人でさえも難しいと思います。しかし無知な父親が焦って飛び込んだところで救助できる可能性は低く、二次災害につながる危険性も高いのです。

そこで現在スイミングスクールや小中学校の水泳授業で行われているのがサバイバル・フローティング、「命を守る着衣泳講習会」です。この言葉を聞きなれない方は、「衣服を着たままで泳ぐ訓練」と思われるかもしれませんが、「着衣泳研究会(新潟県長岡市、長岡技術科学大学内)」では、自分自身や周囲の物の浮力を活用して、「浮いて救助を待つこと」と定義しています。

サバイバル・フローティング(ペットボトルを利用した幼児向けの背浮き講習
スイミングスクールでのサバイバル・フローティング(着衣泳)講習会
写真のように背浮きで長時間浮いている姿勢が取れるようになると、救助の手が差し伸べられるまで生き続けることができるので、無理して泳ぐ必要はありません。自分自身で長時間浮いて待つことができれば、必ず救助されます。サバイバル・フローティングは自分の生命を自分で守る「助かる救助法」なのです。この夏、プールなどへお出かけの際は、お子様とラッコ(背浮き)遊びをしてみてはいかがでしょう。

また、密閉性のよいクーラーボックスやペットボトルなどは浮力が大きいので代用浮き具として活用できるとのこと。水辺へお出かけの際は、「これは浮力が大きい、これは沈んでしまう」など携行品の浮力についてもチェックしてみましょう。今後、全国各地で着衣泳の指導員養成講習会や普及のための講習会が開催される予定です。

命を守る「着衣泳」講習会、お近くで開催されたときはぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

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