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保育園ママと全てのママに 『ちいさいモモちゃん』を読む(2ページ目)

初版から40年にもなる『ちいさいモモちゃん』シリーズ。子どもの頃に読んだ方も多いかと思いますが、子育て中の今、もう一度読み返してみて下さい。懐かしくて新しい、「モモちゃん」の世界へようこそ。

執筆者:吉森 福子

●あらすじ●

赤ちゃんのモモちゃんは、ママとパパとねこのプーと暮らしています。ママはお仕事をしているので、モモちゃんは1歳から「あかちゃんのうち」へ通うようになりました。

モモちゃんは大きくなり、アカネちゃんといういもうとが生まれます。でもママはだんだん元気がなくなり、とうとうママとパパはおわかれすることに。ママとモモちゃんとアカネちゃんは、新しいおうちで3人で暮らすことになりました。

パパはときどき、オオカミになってアカネちゃんの前に現れます。アカネちゃんは、どうしてパパといっしょに暮らすことができないのか、ママに聞きました。

モモちゃんは小学生から中学生に、アカネちゃんも保育園児から小学生になっていきます。そして、とうとう死に神がパパのところへやってきました・・・。



●作品について●

このシリーズの最初のお話『ちいさいモモちゃん』は、1964年刊。完結編である6冊目の『アカネちゃんのなみだの海』が出版されたのが1992年。およそ30年をかけて書かれた物語です。

この物語の成り立ちについては、『アカネちゃんのなみだの海』の「あとがき」で、著者の松谷みよ子氏が語っています。

・・・そもそも、この『ちいさいモモちゃん』が生まれたのは、長女が4歳のとき、「わたしの赤ちゃんだったときのおはなしをして。」とねだられたのがきっかけでした。・・・

「保育園なんてどうにもならない子のいくところよ。・・・」近所の方にいわれました。まだ偏見の強い時代でした。しかし、娘を赤ちゃん部屋へ入れてみて、集団のなかで育っていく姿に感動をおぼえました。

そうだ、ふつうのお母さんのように手をかけて育てられないけれど、だからこそ、この子のからだの成長と魂の成長を書いておこう、と思いました。

『アカネちゃんのなみだの海』「あとがき」より引用


著者自身が、自分の長女の成長に合わせて書いたのが『ちいさいモモちゃん』『モモちゃんとプー』の2冊です。

『モモちゃんとプー』が出版された時点で著者がすでに離婚していたこともあり、このシリーズは2作でおしまいにするつもりだったとのことです。

・・・この壁を破ったのが二女でした。1歳半で父と別れた二女にとって、父がなぜいないかということは、ものごころついてからの大きな疑問でした。・・・

・・・ママがつぎの本を書けば、そこんところがわかる。さてそれからきびしい状況になりました。モモちゃんの3冊目はいつ書くのか、というのです。・・・

・・・離婚を幼年童話のかたちで書いた『モモちゃんとアカネちゃん』は、1974年、こういうわけで生まれたのです。・・・

『アカネちゃんのなみだの海』「あとがき」より引用
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