テレビ・ビデオを長時間見ている乳幼児は
言葉の発達が遅れる
日本小児科学会は2004年、「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」と題する緊急提言を行い、調査の結果、次のような結論を示しました。テレビを長時間見ていると 言葉の発達に影響が |
・特に日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴児で有意語出現が遅れる率が高い
・このようなテレビの影響にほとんどの親が気づいていない
これらの結論の詳しい解説は次の通りです。
■小児科医・発達専門家からの指摘
・テレビ・ビデオの長時間視聴児の中の言葉の遅れ、表情が乏しい、親と視線を合わせないという幼児に対し、視聴を止めると症状が改善する一群がある。
・テレビに子守りされたり、ビデオの反復視聴で半年のうちに症状が進んだ例もある。
■家庭の長時間視聴の幼児の発達への影響
・長時間視聴児(4時間以上)は4時間未満の子どもに較べ、有意語出現の遅れの率が高い。
・長時間視聴家庭(子どもの近くでテレビが8時間以上ついている)の子どもは有意語出現の遅れの率が高い。
・特に長時間視聴家庭における長時間視聴児の有意語出現の遅れの率は短時間視聴家庭の子どもの2倍である。
・長時間視聴家庭では親の生活がテレビに偏り、親子の関わりの時間が少ないと推察される。
■幼児のテレビ視聴時の親の関わりの重要性
・テレビを親と一緒に見ている時、幼児は親に共感を求めたり、親の顔を見たり、指さして質問するなど親によく働きかけ、親子のコミュニケーションが生まれる。
・その一方で、たとえ親子で一緒に見ていても、親の話しかけや親子が向き合って長く会話することは少なく、言語発達の遅れを招きやすい。
.一人で見るなど親の関わりが少ない長時間視聴児では有意語出現が遅れる率が顕著に高く、そうでない幼児の2.7倍に達している。
■親の認識
・乳幼児の言語能力は一方的に聞くだけでは発達せず、大人との双方向の関わりの中で発達することを認識する必要がある。
・このような現実に対し、テレビの言語発達への影響を心配している親は少なく、むしろ言葉や知識を教えるために見せている親もいる。
(日本小児科学会HPより抜粋)