児童虐待防止法で定められている虐待が疑われる際の通告義務について、公立幼小中学校の教職員の3分の1以上が認識していなかったことが、先月、文部科学省の調査で明らかになったことは、
5月31日発行のメルマガでもご紹介したとおりです。
改正前は、「虐待を受けた子」を発見した場合の通報に限られていましたが、「虐待を受けたと思われる子」を見つけた場合にも通報することが、04年の児童虐待防止法改正で、私たち国民に義務づけられました。
この関係機関への通告義務の拡大について、「知らなかった」と回答した教職員は小学校で35.5%、中学校で39.5%と3分の1を超えており、幼稚園は公立、私立とも約3割でした。
児童虐待の対処策は早期発見がカギであるため、文科省は生徒指導担当者らに対し、周知徹底を図るとしているということですが、私たち国民一人一人にも責任があります。
ここで、児童虐待について、一緒に勉強したいと思います。
児童虐待の定義
1.児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
2.児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
3.児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による同様の行為の放置、その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
4.児童に対する著しい暴言又は著しい拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
(児童虐待の児童とは18歳未満の子どものことです。つまり、乳幼児も含みます)
児童虐待防止法 主な改正内容
● 児童虐待の定義の見直し
保護者以外の同居人による虐待を保護者が放置することも児童虐待に
・・・定義3の同居人による同様の行為の放置の部分。それが今まではなかったのです。
子どもが夫婦間の暴力(DV)を目撃した場合は、それも心理的虐待に
・・・定義4の配偶者に対する暴力の部分。今までは、児童に対する直接的なものだけでしたが、夫婦間における暴力を目撃するなど間接的な要因も含まれるようになりました。
● 国及び地方公共団体の責務の改正
● 児童虐待に係る通告義務の範囲の拡大
「虐待を受けた児童」から「虐待を受けたと思われる児童」にまで拡大されました。