外壁・屋根・断熱材/外壁材・屋根材・サイディングの選び方

家の寿命にも影響する 雨どいの種類と特徴&選び方

屋根の雨を地上に流す雨どい。地味な建材ですが、住まいの寿命にも影響が出る場合も。ここでは、雨どいの種類や特徴、知っておきたい基礎知識をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

雨どいは、住まいの重要な建材のひとつ

メタリック調のシンプルなデザイン。外から見えない内吊り方式の金具を採用していので、外観にもすっきりと馴染む。[サーフェスケアundefinedFS-II型undefinedメタリック調たてとい60undefinedステンシルバー]undefinedundefinedケイミューhttp://www.kmew.co.jp/

メタリック調のシンプルなデザイン。内吊り方式の金具を採用、外観にもすっきりと馴染む。[サーフェスケア FS-II型 メタリック調たてとい60 ステンシルバー]  ケイミュー

外観プランを考える際には、屋根材や外壁材は慎重に選んでも、雨どいに関しては、あまりこだわらないという方も多いのではないでしょうか。

しかし、雨どいが十分に機能しなければ、住まいの寿命に影響が出るケースも。プランニングには専門的な知識も必要なので、実際には、設計担当者の提案に沿って、検討し確認していくことになりますが、その特徴やチェックポイントなどは抑えておきたいものです。

樋(とい)・雨どいの役割は、屋根の雨水を集め、地上(もしくは下水)に流すこと。しっかり流れるように設置しなければ、軒先や軒裏に雨水がまわり、外壁が汚れるだけでなく、建物の劣化や腐食を早める原因となることも。基礎や土台まわりに影響することも考えられるでしょう。また、雨だれによって庭木などを傷めるケースもあるかもしれません。雨の多い日本の建物にとって、雨水をしっかりと流すことは、とても大切な機能なのです。

軒樋+竪(立)樋+集水器などで構成される

雨どいの水きり部分に設けた溝に伝って、雨水が軒といに流れ込むため、雨だれが発生しにくく、軒といの汚れも抑える。[アーキスケアEundefinedマイルドE-I型undefinedしんちゃ]undefined undefinedケイミュー

雨どいの水きり部分に設けた溝に伝って、雨水が軒といに流れ込むため、雨だれが発生しにくく、軒といの汚れも抑える。[アーキスケアE マイルドE-I型 しんちゃ]   ケイミュー

樋(とい)の構成は、屋根の雨水を受ける軒樋(のきとい)、軒樋で受けた雨水を地上へ導く竪(立)樋(たてとい)、軒樋で受けた雨水を竪樋へと送る集水器(あんこう)など。その他、軒樋を受ける金具や竪樋を取り付ける部材、継手や外観をすっきりとおさめるための部材なども必要なります。

また、雨どいのプランニングの方法には、内樋(うちとい)と外樋(そととい)に分けることができます。外部から見えないように、軒や壁の内側に設けられるのが内樋。一般的なのは、外部に這わせる外樋を設置するプランでしょう。

素材は、樹脂や鋼板、銅など。メーカー独自の工夫も

雨どいの素材には、樹脂のほか、鋼板や銅など。ステンレスやアルミ、樹脂にスチール芯を入れて一体化したものなど、メーカー独自の工夫が施されたものも揃っています。また、特殊樹脂を配合したり被覆したタイプなど、耐久性や強度を高めたものもみられます。

屋根材に馴染むデザインやカラーが揃う

形は、丸(半円形)もしくは角型などがあり、シャープなデザインのものや和の雰囲気に合うものなど豊富に揃っています。最近の傾向としては、すっきりと屋根や軒先に馴染むような角型のデザインが多くみられ、屋根と一体化したようなタイプも。軒の出のない外観デザインにも対応できるような商品もみられます。また、軒樋の接合部を目立たせない工夫をこらしたものや固定する吊り金具が見えないタイプ、雨だれを最小限に抑えるような形としたものなどもあります。

色は、黒やグレー、白や茶、ベージュ系など、建物に合わせやすいようなカラーバリエーションが中心。屋根材やサッシと色味を合わせてすっきりさせたり、異なる色でポイントとするなど、外観デザイン全体で検討することが大切でしょう。

耐久性や耐候性がポイント。屋根材と一緒に検討を

勾配を合わせて設置することができるので、屋根や軒先と一体化し、すっきりとした印象に。[Archi-spec TOI]undefined平形屋根用スレートundefinedundefinedケイミュー

勾配を合わせて設置することができるので、屋根や軒先と一体化し、すっきりとした印象に。[Archi-spec TOI] ケイミュー

雨どいは、屋根材や外壁材と同様に過酷な自然環境にさらされるため、耐久性や耐候性などが求められます。

夏の炎天下でも伸縮や変形がなく、積雪やたまった土砂の重みによるたわみに強いこと、紫外線による色あせや衝撃などで割れにくいこと。また、海に近い環境に設置する場合であれば、耐錆性にも配慮が必要でしょう。

どの程度の容量や排水能力とするかは、屋根の大きさや地域の降雨量などによって異なるので、専門的な知識が必要です。最近では、豪雨や豪雪、雹(ひょう)や突風などの異常気象も少なくありません。特に降雨量の多いエリアの場合など、気になる点は設計担当者に確認するようにしましょう。

また、雨どい工事は、一般的に屋根工事の中に含まれます。見積書をチェックする際には、どのような雨どいが設定されているのか、屋根材と一緒にチェックすることも大切です。

日頃からの点検が重要。不具合は早めに補修を

雨どいの破損や割れをそのままにすると、雨漏りの要因となり、建物全体の寿命にも影響してくる場合もあります。屋根材や外壁材と同様に、日頃からチェックをしておくこと。特に梅雨前や落葉時、台風の季節などには、確認しておくようにしましょう。

落葉やゴミがたまっていないか、継目がずれたり、破損やゆがみがないか、受金具が固定されているか、落葉や砂などが詰まっていないかなど。降雨時には、スムーズに流れているか、あふれているところがないかなどもチェックしておきたいポイントです。

落ち葉がたまるのを防ぐアルミメッシュ。強度の雨にも対応でき、取りつけも簡単。 [落葉止め]undefined undefinedケイミュー

落ち葉がたまるのを防ぐアルミメッシュ。強度の雨にも対応でき、取りつけも簡単。 [落葉止め]   ケイミュー

また、落葉が多い敷地であれば、カバー材(枯葉ネット)などを設置しておくのもひとつの方法。メンテナンスが不要になるわけではありませんが、枯葉等による水づまりを防ぐことができるでしょう。

ただし、高い所にある雨どいの点検などは危険が伴います。危険な場所に設置されている雨どいに関しては、必ず、専門の業者さんにお願いすること。屋根や外壁リフォームの際に、雨どいも点検し、不具合があるようであれば、一緒に直してもらう方が費用も手間もおさえることができるでしょう。


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