基本性能を備えていることはいい家の条件
だれもが「いい家」に住みたいと思っているはずです。「いい家」の条件の細部は人それぞれですが、基本性能を備えていなければ「いい家」とはいえません。基本性能とは、耐震・耐火・耐久性のほか、気密・断熱性などがあげられるでしょう。各性能の基準としては、長期優良住宅の認定基準がひとつの目安になると思います。いい家に欠かせない性能とはどんな内容か?
長期優良住宅の認定基準のうち、一戸建てに関係が深く、主なものを下に抜粋しました。●耐久性 耐震等級2以上
建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対しても倒壊しない建物でなければなりません。ですから、単純に壁倍率を考えて筋かいを設けたり、面材を張るだけではクリアできません。構造計算をし、建物の剛性を検討する必要があります。もちろん、免震建築物であれば問題ありません。
●劣化対策 劣化対策等級3以上
自然条件のもとで、三世代(75~90年)に渡って大規模な改修工事をしなくても暮らせる住宅でなければなりません。そのために構造躯体に使用されている材料を中心に、劣化対策を講じている住宅であることが条件です。
一戸建てならアルミと樹脂の複合サッシに複層ガラスの組み合わせは、一般的な仕様になってきました
6つある「地域区分」ごとに設定されている省エネルギー基準に適合している必要があります。これは、住宅性能表示制度の省エネルギーに関する項目で最高等級の4と同じレベルです。
●維持管理・更新の容易性
構造躯体より寿命が短い設備や内装の維持管理が簡単にできるようになってること
●可変性
ライフスタイルなどの変化に応じて間取り変更が可能になっていること
以上のほかにも、長期優良住宅の認定基準には、住戸の面積や、点検・補修計画などの項目も入っています。
では、上記のような性能を備えている住宅ならばすべてが「いい家」なのかというと、そうでもありません。先日、まさにこのことを実感するできごとがありました。
それはどんなことなのか、次ページで説明しましょう。