評価要因その3:アセットアロケーション要因
アセット(asset)とは資産の大分類名のこと、アロケーション(allocation)とは配分のこと。大枠での資産配分が将来のリターンを生みしますが、ポートフォリオが、どういう資産構成になっているかというアセットアロケーション要因が、実はもっとも重要です。年金運用の世界では、収益の90%はアセットアロケーションの巧拙が作り出すものといわれています。違う言い方をすれば、どんな間違ったタイミングや銘柄で投資をしていても、アセットアロケーションさえ適切であれば、長期的にはかならず報われてきました。
たとえば、ガイドは日本株:米国株:欧州株:アジア株:新興国株を均等に20%ずつ組み入れるアロケーションを今は推奨しています。この組み合わせが生み出した過去1年間のリターンは35%でした。日本株だけのリターンは18%でしたから、やはり国際分散投資が効率的でした。
しかし、過去1年に新興国株式に100%投資していたら51%というハイリターンでした。日本株も先進国株も必要なかったという結果論です。だからといって、新興国株式という一つの資産に集中投資することは危険です。リーマンショックのあった2008年にはマイナス63%という最悪のロスを出したのも新興国株式だからです(以上のリターンはすべてインデックスリターンを使用しています)。
最悪の事態も想定しながら中庸の結果がだせれば、アセットアロケーションは正解だったといえるのです。
ちなみに、分散投資のファンドとして有名なマイストーリー・株100%(野村)の過去1年実績リターンは8.8%。そのアセットアロケーションは、日本株60%、外国株40%でした。やっぱり巨大金融機関の作るアロケーションは保守的で愛国心豊かです。