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金沢ならではの野菜「加賀野菜」

金沢は日本列島のほぼ中央に位置することから、気候的にさまざまな作物が栽培されていました。そして先人たちの苦労の歴史を持った野菜が今もなお作られています。金沢ではこうした伝統的な野菜を「加賀野菜」と称して大切にしています。

執筆者:小林 万希子

加賀百万石の風土が育んだ「加賀野菜」

歴史を持った農産物「加賀野菜」

歴史を持った農産物「加賀野菜」。左から時計回りに、加賀れんこん、さつまいも、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、加賀太きゅうり。中央が打木赤皮甘栗かぼちゃ

金沢は歴史的に農業が盛んな土地でした。日本列島の中ほどにあるため、四季がはっきりしていて、さまざまな農作物を作ることができました。何よりも城下町だったため人口も多く、郊外で作物を育て城下で消費するという流通経路も確保されていました。

このような背景を持つ金沢に、「加賀野菜」という農産物ブランド名が誕生したのは1997年のことです。1945年以前に金沢で栽培され、現在も主に金沢で作られている野菜で15品目が認定されています(2010年6月現在)。このブランド名が誕生したのには深い理由があります。

打木赤皮甘栗かぼちゃの収穫

打木赤皮甘栗(うつぎあかかわあまぐり)かぼちゃの収穫

現代では、季節をあまり問わず様々な野菜を食べることができます。品種改良などの人工的な力が加わりそれが可能になりました。これに対して 加賀野菜は近代の人工的な技術を使わず自然の力を生かして育てる野菜で、四季に合わせて栽培されます。裏を返せば栽培するのが難しいということです。さらに技術を持った人たちの高齢化が進むなどで栽培農家は減る一方でした。


 
加賀れんこんの収穫

加賀れんこんの収穫

しかし、種が無くなってしまったら、それで終わりです。貴重な文化遺産ともいえる伝統野菜を伝承し、振興するため、種苗業者、生産者、小売店などの人たちが旗を揚げ、行政や市民を巻き込んでこのプロジェクトを立ち上げたのです。当初認定されたのは10品目ですが、今では15品目(2010年6月現在)に増えています。


 
それでは、加賀野菜をいくつかご紹介しましょう。

金時草。葉の裏は鮮やかな紫色

金時草。葉の裏は鮮やかな紫色

こちらは金時草(きんじそう)。茹でるとぬるっとしたぬめりが出てくる野菜です。ルーツは熊本県の水前寺菜です。

金沢では酢の物にして食べます。ぬるっとした食感と独特の風味が楽しめます。また鉄分が豊富です。

 

加賀れんこん

加賀れんこん

金沢のレンコンはねばりがあるといわれています。デンプン質が多く含まれているのです。このためつなぎがいりません。

すりおろしてから蒸しあげる「ハス蒸し」は金沢の伝統料理です。



 

源助だいこん

源助だいこん

ずんぐりとした円筒形をした源助だいこんは肉質が柔らかく、煮崩れしにくいので、おでんなど煮物に最適です。ただ、栽培が非常に難しく、小さなショックでも割れてしまいます。

金沢ではブリと煮込んだ「ブリ大根」が冬場によく食べられています。

 

加賀太きゅうり

加賀太きゅうり

加賀太きゅうりは、名前の通り太くてずっしりとしたきゅうりで、1キロほどの重さがあります。

サラダや酢の物でも食べますが、煮てあんかけ風にしたものもとてもおいしいです。

 
金沢市農産物ブランド協会では加賀野菜が買える店、食べられる店、加賀野菜を使った加工食品などをホームページで紹介しているので参考にしてみてください。また、レシピや出荷情報など新鮮で詳しい情報が満載です。

金沢市農産物ブランド協会
住所:石川県金沢市下安原町東1471
TEL:076-208-3001


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