京都大学受験制度
京大の場合も東大と同様、センター試験での第1段階選抜の基準倍率がある。例としては、3.0~5.0倍(医学部)といったところ。しかし、実際はそれほど志願者が多くなることはないので、下記データのとおり第1段階選抜はそれほど気にしなくていい。京大は基本が2次試験重視にある。
■第一段階選抜の状況(2010年度)
募集人員(全学部合計):2,846名
志願者数:8320名(2.9倍)
第一段階選抜の合格者数:8,155名(2.8倍)
前期日程で行われる個別試験の成績とセンター試験の結果(各学部で換算方法が違う)で総合的に判断される。例えば、総合人間学部で文系であれば、センター理系科目を100点として、英語200点、数学200点、国語150点、地歴100点で合計750点満点で合否が判断されている。全学部のおおよその合格者の最低点は約45~67%だ(医学部は80%以上)。
センター試験を軽視しないこと
東大や京大の受験者に一般に言えることだが、センター試験を軽視する傾向がある。どの教科の先生も指摘することだが、そういう受験生に限って基本的な教科書レベルの学習が抜けてしまっていることが多い。奇問と呼ばれるような問題は解けるのに、絶対落としてはならない基本問題で失点する。これは大きなマイナスではないだろうか。
どんな応用問題も教科書レベルから発展したものだということを理解して、謙虚に日々の授業に望むことが大切だ。受験勉強とは決して塾や予備校だけでするものではない。基本中の基本は毎日の高校での勉強。毎日の授業をおろそかにしては、東大や京大の合格もあり得ない。
後期試験は廃止の方向に
東大は2008年度まで科類ごとに募集が行っていたが、2009年度から後期日程に関しては一本化して(理3を除く)100名募集に変更した。京大は医学部保健学科の全専攻で後期日程を廃止。これにより2010年度から全学部全学科が前期のみの入試となる。名古屋大の後期全廃、東北大の法、教育、薬、医(保健)、九州大(芸術工)、札幌医科大、神戸大、徳島大、高知大それぞれ医学部で後期の廃止が決まっている。このような難関大学は全般的に前期日程一本に絞ってきている。
これは旧帝大系の大学を中心に、前期試験で優秀な学生を確保しようという動きの顕在化に他ならない。東大や京大が前期試験で多くの優秀な生徒を取ってしまうと、他の地方大学を希望する優秀な生徒が減少して行くのではないかという懸念もある。一方、後期日程を実施する国公立大の倍率があがるという現象も起こっている。これから受験する人は留意しておいてほしい。
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