バックアップソフト選びのポイント
バックアップソフト選びのポイントは?
こうしたトラブルに備えて、Windowsにはバックアップ機能が用意されています。ただし、初心者に使いやすいかと問われれば、けっして十分とはいえません。また、機能も必要最小限なので、より安全性や使いやすさを追求するなら「バックアップソフト」を用意することをおすすめします。
選ぶときは、「パソコン全体のバックアップ」か「データだけのバックアップ」かを考えましょう。
「パソコン全体のバックアップ」は、いま動いているWindowsをまるごとバックアップする方法です。Windowsの動作に必要なプログラムやインストールしたアプリケーションをまるごとバックアップするため、より完全にデータを守ることができます。ただし、すべてのデータをバックアップするため時間がかかり、手順も少し複雑です。
「データのバックアップ」は、ワードやエクセルで作成した資料、撮影した画像などのデータをバックアップする方法です。これらのデータは一度失ったら二度と戻ってきません。一方、ワードやエクセルなどのプログラムは、仮に失われても、もう一度インストールすれば使えるようになります。したがって、より大切なデータを集中的にバックアップするわけです。
ほとんどの製品は、両方の機能を持っていますが、利用するときは、どちらの方法でバックアップするのかを意識するとよいでしょう。
では、おすすめのバックアップソフトを紹介していきましょう。
Acronis True Image 2018(アクロニス・ジャパン)~ランサムウェアからの保護も提供
バックアップソフトの定番として知られている製品が「Acronis True Image 2018」です。米国のアクロニス社が開発した製品で、最初のバージョンは2002年にリリースされています。歴史のあるソフトだけに安心して使える点、バージョンアップのたびに機能が充実している点が特長です。製品構成は、以下の3つになります。
- STANDARD……5,480円(税込)(永続版)
- ADVANCED……3,280円(税込)(1年版) ※キャンペーン価格
- PREMIUM……6,580円(税込)(1年版) ※キャンペーン価格
バックアップ/復元機能はとても充実しています。Windowsのシステム全体はもちろん、特定のデータだけをバックアップすることも可能です。ADVANCEDは250GB、PREMIUMは1TBのクラウドストレージも利用できます。
最新版では、ランサムウェアを自動的に検出・ブロックし、暗号化されたデータを元に戻す機能が追加されました。また、実行中のWindowsシステムのクローンを外部/ローカルドライブに直接作成する機能、Windowsの起動用メディアを簡単に作成する機能なども用意されています。
また、モバイルデバイスのバックアップにも対応しています。必要なモバイル用のアプリは、App StoreやGoogle Playから無償でダウンロードして利用できます。
画面が分かりやすく、操作性が優れているのもAcronis True Image 2018の特徴です。イラストが多用されたフレンドリーな雰囲気なので、「バックアップはよく分からない」という方にも、安心しておすすめできる製品だと思います。
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製品ページ/体験版
ファイナル丸ごとバックアップ(AOSデータ)~複数台のバックアップも対応できる定番バックアップ製品
長年、バックアップ製品を手がけているAOSデータの最新の製品が「ファイナル丸ごとバックアップ」です。最新版は2017年2月に発売されています。最新版はユーザーインターフェイスが新しくなり、複数台のPCを持っているユーザー用に、従来の1台用に加えて3台用も用意されました。価格は次のとおりです。
- パッケージ版……3台版 7,538円(税抜)/1台版 4,622円(税込)
- ダウンロード版……1台版 3,693円(税込)
さらに、Windowsが起動しなくなった場合に備えて起動ディスクを作成する機能、バックアップをスケジュールして作業中にバックアップする機能も用意されています。
3台版も提供されているので、バックアップするパソコン台数が多い方には、特におすすめです。
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製品ページ
体験版
HD革命/BackUp Next Ver.4(ファンクション)~19年の実績を持つ老舗、販売元とサポートが変更になった点に注意
「HD革命/BackUp Next Ver.4」は、アーク情報システムという国内企業が開発した製品です。ただし、2018年2月より、コンシューマ向け製品の販売をファンクションという会社に引き継ぐことになり、「HD革命/BackUp Next Ver.4」についても、ファンクションが販売とサポートを担当することになりまた。一方、アーク情報システムは開発に専念するということです。その点にだけ注意すれば、「HD革命/BackUp Next Ver.4」は実績も機能もまったく問題ない製品です。19年の歴史を持ち、バックアップ/復元機能も充実しています。たとえば、保存先を選ぶだけでシステムドライブをバックアップできる「簡単バックアップ」、一定間隔で増えたデータだけを増分バックアップできる「タイムスライスバックアップ」など、機能も豊富です。
パッケージ版の製品構成は、StandardとProfessionalの2種類で、それぞれ1台用と3台用が用意されているのも親切だと思います。なお、アカデミック版や乗り換え版もあるので、詳細は製品ページを確認してください。
- Standard(通常版)……4,622円(税込)(1台用)/7,430円(税込)(3台用)
- Professional(通常版)……5,378円(税込)(1台用)/8,618円(税込)(3台用)
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製品ページ
EaseUS Todo Backup Free(EaseUS)~無料版でも基本的なバックアップ/復元機能は充実
EaseUS Todo Backup Freeは、無料で利用できるバックアップツールです。有料版もあるのですが、その機能を制限した無料版が提供されています。無料ではありますが、ディスク/バーティションのバックアップ、フォルダ・ファイルのバックアップ、Windowsシステムのバックアップ/復元に対応しています。さらに、ファイルが変更されると自動的にバックアップを実行する「スマートバックアップ」という機能も用意されています。
Windowsにも標準でバックアップ機能はありますが、機能は多くはありません。Windows標準の機能だけでは対応できない場合は、EaseUS Todo Backup Freeを試してみるとよいと思います。
なお、有料版を利用すれば、Outlookデータのバックアップ機能やサポートも利用できます。個人活用なら無料版でも十分だと思いますが、まずは試してみて、機能不足を感じたら有料版に移行するのもよいと思います。
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製品ページ
クラウドストレージを活用してデータバックアップ
最近は、DropboxやOneDriveなどのクラウドのストレージサービスも手軽に利用できるようになりました。大切なデータは、こうしたクラウドストレージに保存するのも、1つの考え方です。ほとんどのクラウドストレージは、堅牢で頑丈なデータセンターで運用されているため、データが失われることはまずありません。また、クラウドに保存しておけば、万が一、手元のパソコンが故障しても、データは残ります。したがって、大切なデータをクラウドに保存することは、データのバックアップという観点からも理にかなっています。
ただし、クラウドストレージでできるのは、あくまで「データのバックアップ」です。バックアップソフトのように、自動的にバックアップ/復元したり、Windowsのシステムやインストールしてあるアプリケーションを丸ごとバックアップしたりすることはできません。あくまで、自分でファイルを保存する必要がある点に注意してください。
以下に代表的なクラウドストレージサービスを挙げておきますので、関心のある方は、調べてみてください。
- Dropbox(https://www.dropbox.com/)
有名なクラウドストレージサービスで、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスで利用できます。無料だと2GBまで利用でき、有料プランに切り替えることで容量を増やすことができます。 - OneDrive(https://onedrive.live.com/)
マイクロソフトが提供しているクラウドストレージサービスです。MicrosoftアカウントでWindows 10を利用しているなら、無料で5GBまで利用できます。Office 365を利用すると1TBまで利用可能になります。また、それとは別に有料で容量を増やすこともできます。 - Googleドライブ(https://www.google.com/intl/ja/drive/)
Googleが提供するクラウドストレージです。Gmail、Googleフォトを合わせて15GBまで無料で利用できます。有料で容量を追加することもできます。