社会性の発達
社会性は家の外で身に付く |
社会性の発達というのは「知=知能の発達」に対し、「徳」の発達と言うことができます。この徳には、情緒の安定、共感性、善悪、礼儀、清潔などが含まれます。
社会性は子ども一人で身につけることはできません。他の子どもか大人が関わることで社会性を身につけていくことができるのです。
最近の傾向として早期教育に熱心な両親が増えています。その結果文字や数については比較的早く身につける子が増加しているのですが、反面他の子どもや大人に対して言葉で意志を伝えたり、言われたことをきちんと理解できない子どもが増えています。知育がある分野に突出していてバランスが悪いのです。
足し算ができるよりも、自分の意志を言葉ではっきりと伝えられることが最も大切です。こういう子どもは情緒が安定します。子どもの要求に応えられないときは、その理由を説明して待たせたり、他の方法はないか一緒に検討しましょう。
他の子どもと遊ぶことで玩具の取り合いで争ったり、ぶつかって痛い思いをしたりと自分の思い通りにならないこともあると知るのです。2歳児ではまだまだ近くにいるだけで共同作業をするという意識は生まれてきませんが、この時期に一人遊びばかりしているとその先に進めません。
また同年齢だけでなく、年上のお兄さん、お姉さんと遊んでもらうことはとてもいい刺激になります。子どもは年上の子どものマネをしたがるからです。お手本となる年上の子どもはいい先生です。
それ以外の場面では家族が社会性の先生となるので、親が自分の行動に注意する必要があります。例えば電車に乗り込んで席が空いていたらどうしますか?いち早く座ろうとしていれば、子どもも座りたがるようになります。反対に空いていても長く乗らないから立っている姿勢を見せると、子どもは同じく立つようになります。
新婚の夫婦が家庭内で一番驚くのは、それぞれの生活習慣が異なるという点ではないでしょうか。それほど家庭環境というのは影響が強いものなのです。これを逆手に取れば、苦労せずに良い習慣を子どもに身につけさせることができるということです。
「おままごと」「ごっこ遊び」はロールプレイングを通して、自分以外の人の立場を理解することのできる遊びです。親戚の家に親抜きで泊まりに行くのも母子分離のいい練習になります。家庭外で何かするのは社会性を育てるのにとてもいい機会です。よほどフォーマルな場で子どもを連れて行けない場所でない限り、大人たちの間に子どもを同伴しましょう。見知らぬ大人を恐れないようになり、さらに挨拶の仕方や静かにすべき場所をわきまえるようになります。
以上、知能と社会性を家庭で伸ばす方法について考えてきました。では幼稚園受験に幼児教室は必要でしょうか。一部の超難関校については入念な準備が必要でしょうが、大多数の幼稚園入試については家庭教育をしっかりさせた上で、入試一年前くらいに幼児教室が必要かどうかを考えればいいと思います。
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