アニメ映像を低ノイズ表示する「アニメ・CGリマスター」
濱田:まずはCREAS2PLUSの「アニメ・CGリマスター」の話です。地デジTV放送ですと、アニメでは輪郭のまわりにモスキートノイズが多くなる場合があります。これは放送のビットレート自体が低いので仕方のないことです。同じ映像を市販ブルーレイビデオで持っていると、その違いの大きさがよくわかると思います。
そこで、地デジ放送の画質をなんとかBDビデオの画質に近づけたいということで、今回、この機能を開発しました。今までもモスキートノイズをとる機能はあったのですが、だいたいの場合、ぼかしてとるというのが一般的でした。
しかし、そうすると他の部分もぼかしてしまい、輪郭自体もほけてしまったりすることがあります。というわけで、今回はまったく違うアプローチで、このノイズをとっています。
もともとCREASは映像を画素ごとに解析して、解析した情報を使って、いろいろと映像を処理しています。今回も、ノイズの部分とノイズのないクリアな部分を解析しています。そして、ノイズがあった部分に対して、ノイズのない部分を解析して補っています。いわば、修復作業のようなものです。
そのような特殊なアプローチでノイズを減らそうというのがアニメ・CGリマスター機能で、輪郭に影響を与えずにノイズだけをとることが可能です。
三浦:
アニメ・CGリマスターは再生系すべてに効くので、ディスク再生でもノイズを減少させて再生することができます。
濱田:
TVで放映されるアニメ作品のすべてがブルーレイで市販されるわけではないので、この機能で高画質な映像を楽しんでいただければと思います。MPEG4AVCにも効くので、AVCでディスクに大量にバックアップした映像をきれいに再生することもできます。
最上位機種BDZ-EX200はCREAS2PLUSで大きく進化した画質を持つ。
目障りなバンディングを消すスムージング
濱田:次は「スムージング」です。スムージングはもともとCREASの機能ですが、今回の強化で、横線というか、垂直方向のバンディングがさらにとれるようになりました。新しく回路を追加したことによって、広範囲の標本を見ることが可能になり、実現した機能です。もともと水平方向に強かったので、斜め方向や全方位に強くなりました。
DeepColor対応でビットを増やしている各社の機材の映像と見比べても、現時点で発売されているレコーダー、そして、プレーヤーを含めてもこれだけのものはないと思います。そもそもBDZ-EX200は高級プレーヤーをもターゲットにして、それを追い越せという目標で開発しています。
なお、画像解析技術で、バンディングがある部分を検出し、その部分だけを処理してバンディングをとるので、ほかの映像部分に影響がありません。
三浦:
これもすべての再生系に効くので、取り込んだデジカメ映像やビデオ映像も補正できます。海とか空などの映像ではバンディングが発生しやすいので、かなり有効だと思います。」
濱田:
次は「クロマアップサンプリングフィルタ」です。クロマ、色の情報をいかにうまくつくってあげるかというところを強化しています。これは下手に処理をしてしまうと、色の境界、濃い鮮やかな色とそうでない色の境界のところで、色の処理を間違えてしまうとギザギザが出てしまいます。
ここを、今回は特性を考えて、回路をいっぱい使って、周囲の情報を集めて、処理をしています。広範囲な情報を見ることによって、適正な色信号を作っています。