純資産総額を『時系列』でみる=急激な増減にひそむ罠
急激な増減に潜むリスク。繰上げ償還になったら損をしていても償還時の基準価額で売るはめに。 |
ここからは、現時点の純資産総額だけでなく過去からの推移をみていくことにしましょう。
要注意なのが、純資産総額の急激な増減です。次の二つはどちらも急激な変化に危険が潜んでいるケース。購入時だけでなく、保有期間も着目しておくことをおススメします。
■ケース1
一気にファンドが売れ、純資産総額が急激に増えた場合。資金を投資する際、運用方針にそぐわない新規の買い付けを行うことで、運用成績が悪化したり、運用のコストやリスクが大きくなったりすることがあります。資産が増えても一概に喜んでばかりはいられないのです。
■ケース2
純資産総額が急激に下がっていく場合。それは、そのファンドの償還(運用終了)が迫っていることを表すシグナルかもしれません。前のページでも紹介しましたが、残高が減ってくると『繰上げ償還』といって、信託期限の前に強制的に償還(運用終了)されてしまう可能性があります。償還の時、投資金額がゼロになるわけではありませんが、その時の時価の基準価額で払い戻しになるので損をしていても待ったなしで売却することになります。ずっと見守り続けることが大事です。
過去の純資産総額は各投信のサイトに掲載されています。グラフで推移を確認してみましょう。また、モーニングスターの残高ランキングや投信資料館の純資産総額のランキングで、純資産総額のランキング情報を見ることができます。
「気が付けば繰上げ償還!?」なんてことにならないよう、純資産総額が安定して推移し長年人気が高く支持されているファンドを選ぶこと。そして、投信の基準価額だけに注目せずに、同時に純資産総額も確認することが大事です。
最後に、純資産総額ランキングベスト3をご紹介します。