振り返ればライブドアショックや安倍政権の誕生など記憶に残るイベントがたくさんありましたね。
今回は06年の株式市場はどのような相場だったのでしょうかを検証します。
個人投資家に厳しかった06年
図1:指数一覧(クリックで拡大します) |
図1は06年株価指数の騰落率の一覧です。景気の踊り場、先行き不透明で上がるか下がるか方向性の無い相場などいろいろ言われましたが、終わってみれば日経平均株価指数は+7%、TOPIXは+2%と1年を通じて振り返ると、日本を代表する大企業の株価は05年ほどではないものの、
上昇相場でした。
一方、個人投資家の売買が中心である、JASDAQ指数、東証マザーズ指数、ヘラクレス指数はそれぞれ-34%、-56%、-52%と大きく下がりました。05年後半からの急激な上昇相場が06年1月のライブドアショックまで続いた反動や、信用取引を行っている個人投資家の割合が増え株価が乱高下しやすくなったこと、企業もライブドアショックにより保守的な会計方針に変更したこと、企業の業績予想も保守的な企業が増えたことなどが要因だと考えられます。新興市場を中心に投資していた投資家の多くは大幅に損を出していることが想像できます。
ではこのような厳しい相場のなかどのような銘柄があがったのでしょうか?
値上がり1位は1年間で3.5倍!
図2:値上がり銘柄一覧(クリックで拡大します) |
図2は06年の株価上昇ランキングベスト20です。1年間でもっとも値上がりしたのは5995日本科学冶金で05年末348円だった株価は、06年末には1570円、約3.5倍になりました。
第20位の1777川崎設備工業でも株価は1年間で+77%と大きく上昇しました。
06年に大きく値上がりした銘柄の特徴は何だったのでしょうか。
株価1000円以下の銘柄
上位20銘柄のうち4銘柄が05年末の株価500円以下、13銘柄が株価1000円以下です。逆に10万円以上の株価の銘柄は1銘柄しかありません。
06年は株価そのものが低い銘柄が大きく値上がりしたと言えるでしょう。もちろん単に株価が500円以下だから安いと言うわけではありませんが、株価が10万円のものより、500円のものの方が感覚的に安い気がするのではないでしょうか。
4月から6月に大きく値上がりした銘柄
5995日本科学冶金や5542新報国製鉄、8937Human21、9787イオンディライトなどは4月から6月にかけて株価が急上昇しました。4月から6月にかけては決算発表や業績修正発表、新年度の業績予想が発表され、それまで注目されていなかった銘柄が突然大きく値上がりするという現象が見られる時期です。上記の銘柄の多くは株価が値上がりするまでは出来高も少なく注目度の低い銘柄でありました。
1年間通じて値上がりした銘柄
7541メガネトップ、5541太平洋金属、7974任天堂、6726オー・エイチ・ティーなどは1年を通じて大きく値下がりすることなく緩やかに上がり続けました。これらの銘柄の特徴は、株価水準がPERでみて割安な水準にあり、任天堂のように予想以上のヒット商品が生まれた企業や業績が順調に伸びている企業だと思います。もともと株価が割安である上に業績が予想以上に伸び続け、1年を通じて株価が上がり続け、結果として1年で大きく値上がりしたパターンです。
2006年を活かし、2007年に繋げましょう。
次のページで2007年の銘柄選びについて掘り下げていきます
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