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世界同時株安はいつ終わるのか?

2月28日の上海株式市場の急落により世界の株式市場が大きく値下がりしました。そこで今回は”世界同時株安はいつ終わるのか?”について調べてみました。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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2月28日の上海株式市場の急落により世界の株式市場が大きく値下がりしました。日経平均株価も18300円から16500円まで一時下落、その後17000円を回復しましたが、先行きは怪しいといった意見が大半です。

そこで今回は”世界同時株安はいつ終わるのか?”について調べてみました。


世界同時株安の背景1.始まりは中国株の下落


今回の下落の発端は、上海株式市場の下落でした。2/27に中国政府による株式売買への課税を行うのではないかという理由から、上海総合株価指数が、 8.8%下落しました。

これを受け、インドや香港などの新興市場の株価や米国のダウが3.3%下落し、日経平均も2.8%下落しました。

日米の株価が大きく下落したのを受け、翌日の中国株が下落、それをうけてまた日米の株価が下落と言う循環に入りました。


世界の株式市場が好調だった理由


2/27~2/28まで、中国、米国、日本と世界の株式市場の多くが昨年秋以降、大きく上昇していました。その背景は日本の低金利にあると言われています。

日本の金利は、長期国債で1.5~1.7%と低金利の状態が続いていました。海外の投資家は低金利の円で資金を調達し、金利の高い外貨や利回りの良い株、不動産に投資をし続けていました。日本が金利引き上げ方針を明確にしたことに加え、中国株の下落が要因で、一気に世界中の株式市場から資金を引き揚げたのが、今回の下落の背景です。


リスクを回避した資金はどこに流れたのか?



日10年債利回り

米10年債利回り
株式の下落リスクが高まれば、株式市場から引き揚げられた資金は、リスクの低い国債に流れることになります。
そこで、今回の株価下落後、資金は国債に流れたのではないか?と考え調べてみると(債券が買われて価格が上がれば利回りは低下します。)、日米ともに特に際立った変化は見られません。(グラフでは利回りは下降傾向に見えますが、2/27以降はむしろ利回りは上昇しています。)

では引き揚げられた資金はどこに流れたのでしょうか?
ポイントは今回の株価下落と同時に米ドル・ユーロの対円為替レートが顕著な円高になっている点です。つまり、今までは
円で資金調達→外貨に替える(円売り・外貨買い)→海外資産(株式・債券)に投資
という流れによって円が売られ、為替レートが円安であったのが、
海外資産を売却→円に替える(外貨売り・円買い)→調達資金を返済
円/ドル
円/ユーロ

という流れになっていることがこの円高の表れではないかということです。

以上をまとめれば、基本的に今後株式の下落リスクが高まれば、景気先行きに対する不安から、引き揚げられた資金はよりリスクの低い国債などの債券に流れるはずですが、今回は円高によって調達資金の返済に充てられた可能性が高いと考えることができます。







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