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リーマンブラザーズ破綻で売られすぎた株(3ページ目)

米リーマンブラザーズ証券の破綻によって金融不安が再燃、とりわけ大きく金融機関の株式が下落しました。今回は過去の金融不安を振り返りながら、現在の状況についても解説していきたいと思います。

西村 剛

西村 剛

株式 ガイド

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。最近では統計データを重視したシステムトレードにも注力。

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リーマンブラザーズ破綻により売られ過ぎている銘柄

では今回のリーマンブラザーズ破綻の場合はどうでしょうか?


リーマンブラザーズ破綻時の金融株
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リーマンブラザーズ向けリスク資産
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金融機関の株価をみると軒並み大幅に下落しています。特にリーマンブラザーズ向けのリスク資産総額が大きい金融機関の株価下落が著しくなっています。クレディスイス証券が発表したリーマンブラザーズ向けリスク資産総額をもとに各銀行の前期当期利益に占める割合をみると、割合の大きな中央三井トラスト、みずほフィナンシャル、三井住友フィナンシャルは10%程度の下落した理由が明確ですが、割合が6.6%と相対的に低いりそなホールディングスが最も株価が下落している点は疑問が残りますね。
おそらく過去の実績から金融破たん懸念が出ると真っ先に売られやすいイメージが投資家にはあるのではないでしょうか?また比較的割合の小さい三菱UFJフィナンシャルGの株価が7.7%下落した点も興味深いですね。おそらくリスク資産総額の絶対値の大きさが嫌気され株価は下落していますが、純利益に対する割合を考えれば株価は一時的に売られ過ぎと見ることが出来ますね。

金融機関の破綻などで株式市場が暴落する場合は小さなニュースや悪材料をもとに必要以上に株価が下落する場合が多く有ります。03年の例に沿って考えるならば、今回はりそなホールディングス、三菱UFJフィナンシャルGが必要以上に売られ過ぎとなっているものと思われます。最近ではアメリカの大投資家であるウォーレン・バフェット氏も金融株の買い付けに動いていることからも必要以上に売られ過ぎていることが分かるのではないでしょうか?
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