ヤフーやセブン-イレブンの株を上場時から保有してきた株主は億万長者
ヤフーは1997年11月に上場し、当時の安値は154万円でした。現在の株価は、3000分の1以下の528円となっていますが、上場以来1株→2株の株式分割を合計13回、1株→100株の株式分割を1回行っています。その結果、上場当時に1株購入し現在まで保有を続けた方は、819,200株を保有していることになります。金額ベースで計算すると約150万円で購入したヤフーの1株が819,200株になり、その資産総額も528円×819,200株で、約4.3億円ということになります。
同じく、セブン&アイ・ホールディングス(上場時はセブン-イレブン・ジャパン)を長期保有していた株主はどうでしょう?セブン&アイ・ホールディングスも成長の途上では株式分割を繰り返し行いました。1979年当時から1000株を保有しているだけでも、1990年以降だけでも7回にわたって分割を行なった結果、今は38倍の38000株になっています。
当時1800円の株価は、現在4640円と約2.6倍になりました。その結果、当初の1000株180万円は現在約1.8億円円となりました。このような株が今後も出てくるのでしょうか?また、なぜこれほど株主は儲かったのでしょうか?
実体を伴った株価の上昇はバブルではない
このような株の上昇はバブルとは言いません。なぜなら、株価が上昇している間、両社とも売上、利益ともに何十倍、何百倍にもなっていますので、企業の実態に即した株価形成になっているからです。企業の成長の結果、保有割合に応じて株主持分もそれに見合って成長、増加しているのです。つまり、株価の上昇は企業の成長という実体を伴った上昇であり、実態を無視して上昇する仕手株や材料株のようなバブルとは、株価上昇の背景がまったく異なるのです。
また、この間両社は配当金も出しておりますので、それを合わせると、株主は大変な金額を受けとっていることになるのです。これこそ、株式投資をやっているまさに醍醐味でしょう。なぜこんなことが可能なのでしょうか?
株主は所有者であり資金提供者
そもそも「会社」は誰のものでしょうか?よくある答えは、「株主」「経営者」「社員」「お客様」など様々ですが、法律上は、まさしく株主のものです。株主が所有者であるがゆえに、企業の成長の恩恵を株主が享受できる立場にあるのです。株式を購入して株主になるということは、意識するしないにかかわらず、会社の一部の所有者になるということです。成長する企業に投資すれば、株主も将来に亘ってその成長の恩恵を蒙れるのです。
一方、会社側から見ると、株主とはどんな存在でしょうか?もちろん答えは資金提供者です。セブン&アイ・ホールディングスもヤフーも、創業当時は顧客が満足するサービスを十分に提供するためには莫大な資金が必要でした。今でこそ街を歩けば至るところにコンビニエンスストアを見つけられますが、1970年代、1980年代当時の日本ではコンビニエンスストアは店舗数も少なく、その存在はみんなのあこがれでした。
また、1990年代からパソコンが普及していく過程でも、膨大なインターネット情報から的確に情報を検索できるサービスは、非常にニーズの多いサービスでした。こういった多くの人たちが必要としている事業は、資金力と高い競争力があれば、サービスの普及と共に売上や利益を伸ばし企業は成長していけます。
だからこそ、資金を出してくれる株主の存在は、会社にとっても非常に貴重な存在なのです。そういった株主には、成長に伴って利益を配分して応えようというのも当たり前の話なのです。成長の見込まれる会社に参加する方法のひとつは、従業員になるということですが、誰でもなれることではありません。株主になることは、上場企業であれば誰でも可能なのです。
ガンホーはなんと90倍の伸び率
社会が求める「モノやサービス」を提供できる成長企業に投資できるということが、株式投資の本来の魅力ではないでしょうか。では、今の日本にかつてのコンビニやインターネット検索サービスのように、大きく伸びていくと思われる分野があるでしょうか?昔は、車が欲しい、テレビが欲しい、近所にレストランが欲しいなど多くのニーズが存在し、それらのサービスが提供されることを待ち望んでいました。しかし、現代は昔と比べて「モノやサービス」が溢れており、従来型の経済は成熟していると思います。普及していく速度も格段に速くなっており、新しい「モノやサービス」をスピーディーに展開していくことが今後の鍵となるのではないでしょうか。
その一例として、近年爆発的なヒットで業績が一気に変わったガンホー・オンライン・エンターテイメントの例を紹介しましょう。2012年2月に、パズル&ドラゴンズというスマホアプリの配信開始から、ゲームが爆発的にヒットして業績・株価は変貌を遂げました。
株価も、パズル&ドラゴンズの配信が開始された2012年2月は17.87円(1株→10株の株式分割2回、1株→100株の株式分割1回を考慮)でしたが、2013年5月の高値時には1,633円まで急上昇しました。わずか1年3ヶ月で株価は91倍に跳ね上がったのです。当時1株約18万円投資した人は、高値時には約1,630万円となったのです。
この爆発的ヒットは、ユーザーを惹きつける面白いゲームを開発したことはもちろんですが、それだけではありません。様々なことがあったからこそ、もの凄い勢いで普及したのです。ゲーム業界のみならず、日本の多くの業界でこのような変革が起きています。今後も東京オリンピックに向けて、このようなチャンスはまだまだあると思います。
株式を「マネーゲームの道具」ではなく、「資産運用の強力な武器」にしていただきたいと願います。
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