期待先行相場とバブル過度な将来期待はバブルを生む株式の動きで特に注意しなければならないのが、期待が高まって実態と大きく乖離することが良くあることです。この期待と実態との乖離が大きくなるとバブルが形成され、一旦それが弾けると急速にしぼみ、実態に即した株価へと戻っていきます。1999年から2000年当時はまさしくこの期待が大きくなり、皆がIT革命に対し過度な期待を持ち、まだ実態がそこまでついてきていないのに期待先行で株価は上昇していきました。例えば、Yahoo!ですら売り上げ実績は1999年3月期で19億円にしか過ぎなかったのです。最終利益にいたっては1億円。それが2000年2月には株価が1億6790万円まで行ってしまったのですから明らかに行き過ぎでした。しかし今やこのYahoo!は、売上は1000億円を越え、利益も2005年3月期で365億円とその当時の期待を裏切らない大変な成長を遂げたのです。このようなことは多くのIT企業に言えることであってYahoo!が例外ではありません。つまり、2000年当時は期待先行の上昇相場でそれが光通信の業績下方修正がきっかけとなってその期待がまさしく剥げ落ちたので、ITバブルが弾けてしまったのです。一方、今回はライブドアの決算はまさしく粉飾であり、決算自体がまったく信頼できるものではなかったという意味でライブドアグループ固有の問題です。従って、2000年当時とは比べ物にならないくらい実体経済は良くなっており、同じ経路をたどることということはまず考えなくてもよさそうです。ただ、その一方で、新興市場人気は年末から年始にかけて、かなり過熱していたことは事実です。会社の内容をよく吟味されずに期待が先行し値動きにつられて上昇している株は非常に注意が必要です。新興市場の今後以上を踏まえて、今後の新興市場の動向を予想しますと今まで以上に、より企業の選別が進み、期待先行で上昇してきた銘柄は調整局面に入り、期待以上に業績を伸ばしていくような企業が株価上昇していくというシナリオを描いております。先にも触れたとおり、JASADAQ指数はこの1年半で3倍になってきておりいまやITバブル当時の高値という最大の節目に到達しております。全体の上伸力は衰え、企業業績の確認をしながら、更に進んでいく銘柄と停滞もしくは下落していく銘柄の選別が益々進んでいくのではないでしょうか?この点シビアに見極めなければいけないことがライブドアショック前と後の大きな投資戦略上の違いとなると思います。オールアバウトマネー用語集 ジャスダックオールアバウトマネー用語集 JASDAQ前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。