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新興市場の現状と今後の見通し(2ページ目)

マザーズ指数、ヘラクレス指数、JASDAQ指数など新興市場の代表的な指数が下げ止まる気配を見せません。現状と今後の見通しを探ってみましょう。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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新興市場の急落の具体例

今後の新興市場を見通すにあたってまず代表的な新興市場の株を具体例を挙げて紹介させていただきます。
以下の表はサイバーコミュニーケーションズ、楽天、イートレード証券といった時価総額の大きい新興市場の代表銘柄の株価推移です。
ライブドアショック前の高値からの下落は楽天でも4割、サイバーコミュニーケーションズは1/4、イートレード証券も1/3になっております。つまり100万円投資していたら楽天でも40万円、サイバーであれば23万円、イートレードは30万円になってしまったということです。

いかにこの半年で新興市場は大きく値が下がり、個人投資家の多くの方が痛手を蒙ったかを誰にでも分かりやすく説明するためのデータです。
そして1月時点でのPERはサイバーに関しては200倍近く、イートレードでも100倍に近い水準まで買われておりました。今では楽天やイートレードに関しては適正と思われる20倍台まで下がってきているのが現状です。


そして、上記の株価推移と下記の業績見通しの推移をご参照いただきたい。以下の表は1月以降の今期業績(2007年3月期)の修正推移です。
サイバーは当初513億円の売上を予想しておりましたが、現在は570億円の売上予想と予想を売上は上方修正しています。しかし、経常利益は31億円から23億円へ修正されております。この利益が下方修正された分値下がりもきつかったのでしょう。
一方、楽天は売上は2100億円の当初予想を1800億円にしておりますが、利益は逆に当初の予想を上回ってくる予定です。
イートレード証券は売上利益ともに年末年始の予想を上回るペースで業績の拡大が続いております。



新興市場の個別銘柄を見ていくとかなりこの半年の間で新興市場のプレミアム価格部分は剥げ落ちて来たのが現状です。先の楽天やイートレード証券の予想PERの水準に見たとおり、20倍台の水準は高い成長が見込まれる企業であれば魅力的に映ってきます。日経225の平均予想PERが18倍(7/28)ですから一部の大型株に匹敵するぐらいのPER水準まで値下がりしてきている現状を見ると軒並み値下がりを続けてきた新興市場の株は銘柄によっては買いゾーンに入ってきた銘柄が出てきていると判断しております。きちんとした業績の予想をした上で割安感が出てきた新興市場株銘柄は大きなチャンスと捉えることも出来ましょう。

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新興市場の代表銘柄の株価推移
注意》イートレード証券の一月高値は分割調整後の株価を使っております。
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