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海外人気高まるオニツカタイガーブランド

海外で好調な「オニツカタイガー」ブランドは国内でも直営店舗を増やしています。海外で好評を博した新ブランドで攻勢をかけるアシックス(7936)にご注目ください。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

株式ガイド

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国内NO1スポーツメーカーとなったアシックス

欧米で好調なオニツカタイガー
欧米で好調なオニツカタイガー
昨年ミズノを抜いて国内のスポーツメーカートップの売上となったアシックスは、海外で好評を博しております。特に新らしくて懐かしいブランド「オニツカタイガー」ブランド製品の今後の展開に注目してください。アシックスの株価は低調な日本株の相場の中で一際上昇しました。
これも注目銘柄の一つですが、先週は1524円まで上昇し約一年で55%の上昇と全体のパフォーマンスを大きく上回る結果となっております。

その上昇している背景と今後の見通しについて、ここで触れさせていただこうと思います。
この2006年4-6月の第一四半期の決算は、売上で21.3%の増加、営業利益で63.6%の増、経常利益も61.9%の増加でした。純利益は昨年特別利益を計上した関係上、微減にとどまりましたが、非常に内容の濃い決算となっております。

アシックスの競合として挙げられるのはミズノ、デサント、アディダスジャパン、ナイキジャパン等ですが、05年3月期にミズノの売上高を抜き、スポーツメーカーの国内トップ企業となりました。下記にあるとおり、海外での販売好調がミズノを抜いて国内トップとなった原因です。この好調な背景にあるのが、復刻ブランド「オニツカタイガー」ブランドの浸透です。海外、国内ともに従来の「アシックス」ブランドよりもより洗練されたスタイルで国内外で好評を博しております。

復刻ブランド「オニツカタイガー」

現会長の鬼塚喜八郎氏が1947年、スポーツシューズの会社「鬼塚株式会社」を設立。 虎のマークを付けた鬼塚タイガーのシューズは当時国内シェアを独占しました。 77年、ジィティオ株式会社、ジェレンク株式会社と合併し、「アシックス株式会社」とするまで当ブランド製品は人気を博しました。この以前好評であった「オニツカタイガー」ブランドを若手を中心としたプロジェクトチームが02年春に復活させたのです。薄い靴底と豊富な色の種類を売り物に全世界で人気を博するオニツカ、なかでも最も売り上げを伸ばしているのが欧州市場です。

近年、少子化や競技人口の減少から純競技以外の市場を開拓する必要が生じ、他の方向も検討せざるを得なくなったのですが、この投入はファッション販路の開拓、新規顧客の取り込み、アシックスブランドのイメージ向上にもつながっているのです。外国市場を開拓し続け、現在関連会社は国内に15社、海外に15社あります。前期売り上げが80億円。今期は約100億円を見込んでいます。

海外販売が好調な「オニツカタイガー」

この「オニツカタイガー」ブランドは1949年から1977年まで製造していたブランドで、2002年9月に復興させたブランドです。現会長である鬼塚喜八郎の名前から取った当ブランドはTシャツやジャケット、バッグなどへも拡張させ、ライフスタイル市場をターゲットとしております。特に欧州や米国など海外で火がつき、日本国内でも続々とショップが新規開店してきているのです
<アシックスの海外向け売上の推移>
  2001.3 2002.3 2003.3 2004.3 2005.3 2006.3
北米 17717 18243 24066 22525 23488 31684
欧州 23498 21019 27091 33009 39102 51069
その他 3142 3045 4906 5860 6684 9324
海外売上合計 44357 42307 56063 61394 69274 92077
売上合計 133727 126445 135639 140497 146678 171036
海外売上比率 33% 33% 41% 44% 47% 54%
上表はアシックスの海外売上の推移です。年々海外での売上の比率が向上し、2006年3月期には売上の54%を占めるに至っております。


この様な高成長の一つの大きな原因が「オニツカタイガー」ブランドが海外でまず火がついたことが上げられます。

ヨーロッパでは2005年1月にフランスパリで直営店「オニツカタイガー」をオープンさせ、韓国では4店舗、オーストラリアでも1店舗、イギリス1店舗をオープンさせています。これら直営店での販売のほか、間接的にも販売しているのです。シューズは過去に競技用シューズだったものを街でも履けるように現代風にアレンジし、商品一つ一つにストーリーがあります。アパレルやバッグ、小物類などには日本の伝統的な柄や素材を使い、日本の伝統的なスタイルを継承していることが人気の要因の一つとなっています。海外特に米国で好調なのはイチロー効果もあります。よく知られているようにイチロー選手は長年にわたり当社製のシューズを愛用しています。このイチロー選手の大リーグでの活躍も米国での販売増加に寄与しているのです。

国内でも力を入れる「オニツカタイガー」

2003年4月に「オニツカタイガー」直営店を代官山にオープンさせて以来、2005年4月には銀座や福岡、2005年8月には大阪心斎橋、2006年3月には六本木ヒルズにオープンし、2006年4月には仙台と立て続けに新規出店しています。ほかにも札幌、渋谷、渋谷パルコ、大阪難波などで出店を予定しております。店舗面積は概ね20坪前後でシューズやアパレルなどの「オニツカタイガー」ブランド製品を販売している店舗です。靴屋さんというよりセレクトショップのような様相です。特に人気はシューズですが、個性的なデザインで若者に人気のガルシアマルケスなどとのコラボ製品などを提供したりしています。数量限定商品などでプレミアム感があるのが特徴です。

アシックス(7936)の株価評価

現在株価は1450円(9/25前場終値)。2007年3月期の会社側予想一株利益は55円です。この株価水準はこの会社側予想一株利益の水準からいくとPERで26倍水準。会社側予想の売上は通期で6.4%の増加、営業利益で3.38%増と微増を予想しておりますが、先にあげたように第一四半期は売上で21%の増加、営業利益で63%の増加とかなり会社側計画を上回っている状況です。特に海外での売上はこの第一四半期も売上で36.4%増加で売上構成比で63.6%を占めるに至っており牽引しております。今後北京オリンピックに向けて、世界的にスポーツブームが盛り上がっていくことも予想されます。それに加えて、やはりこのセレクトショップのような形態の「オニツカタイガー」ショップ今後の行方に要注目です。

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