PBRは資産と株価の関係
会社の資産と株価も密接な関係 |
PBRとはPERと同様、企業の実態と市場の評価との関係を表すものです。PERは株価/一株利益で表現されますが、PBRは株価/一株純資産を表現しています。
会計上でいえばPERの元になる利益は損益計算上の当期純利益、PBRの元になる純資産は貸借対照表上の純資産(資産-負債)が関係しております。
損益計算書の利益は1年間の企業活動の成果を表します。一方、貸借対照表の純資産は期末時点の正味の企業価値を表します。利益はその時々の経済情勢や、新製品の売れ行き、円高などの外部環境の変化、などなど様々なものに影響されます。一方、純資産は企業の何年にもわたる企業活動の成果が凝縮されております。今までの成果である利益の積み重ねも含まれております。いかに長年企業価値を高めてきたか?により変化していきます。
したがって、利益は短期的な成果を表現し、純資産は中長期の企業活動の成果の結晶といえましょう。
企業が解散した場合には株主は最終的に株主持分(純資産)部分を株式数に応じて分配する権利を持ちます。その最終的な分配権を残余財産分配権と呼びます。この権利の現時点での金額を大雑把に捕らえられるのが一株当たり純資産です。(売却可能時価による評価などがありますので厳密には異なります。)
ですからPBRは中長期投資における下支え的な指標として使われることが多いといえましょう。
暴落時にはPBR1倍割れが続出!
特に大暴落時にはPBR1倍割れ銘柄が続出したりします。PBR1倍割れはその株価で全ての発行されている株数を購入し、会社を解散し財産を分ければ、理論上は利益が出ることを意味します。資産をそのときの売却時価等で換算したりしないと正確ではありませんが大雑把に見る場合は参考になります。つまりPBRが1倍を割れることは企業価値に対してあまりにも市場が弱気になり、株価が企業の実態を大きく下回っていることを意味します。
このように市場が弱気になっているときには参考指標として参考になりましょう。
しかし、このことだけをもって暴落時に購入することを決めても、結局はほかの銘柄のほうがずっと上昇してしまうことは良くあることです。資産に何らかの問題があったり(大きな評価損を抱えている不動産があったり)、予期しない負債を抱えていたりと企業によって様々な事情を抱えていることがあります。なかなか単純な比較では難しいといえましょう。あくまでもPBRも数ある判断の一つの材料に過ぎないのです。
一つの指標を頼みに探して大きな成果を得られるほど株式投資は甘い世界ではないといえましょう。
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