【目次】
正味資産を知ろう
年間損失許容額とリスク資産
運用商品選択の前に
リスク資産の運用先

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外国為替証拠金取引の被害相談が増加しています。「少額で多額の利益を得ることができる」という営業員の甘いささやきに乗ってしまったのでしょうか。これは「少額でも多額の損失が発生する」と同意語なのですが……。
資産を殖やす近道はありません。階段を一段一段踏みしめながら上っていかないと、大きな落とし穴に落ちてしまいます。さあ、一緒に階段を上りましょう。


正味資産を知ろう

投資をする前に行って欲しいこと、それは家計のバランスシートを作成し、正味資産を把握することです。

といってもそれほど厳しいバランスシートでなくてもO.K.。 資産の欄に金融資産と不動産を、負債の欄に住宅ローン、自動車やカードなどその他のローンをピックアップします。ただし、株式や投資信託、各種会員権は時価で、不動産は最近の売買価格を参考に、住宅ローンやその他のローンは残債を厳しく査定し計上します。ここだけはきっちり、厳しく!です。

  <バランスシート>

●資産の部(A) ●負債の部(B)
<金融資産>  ・住宅ローン
・預貯金    ・自動車ローン
・債券や株式等 ・カードローン
<固定資産>  ————————
・不動産    負債合計___
<その他の資産>
・ゴルフ会員権 ●正味資産(C)
・リゾート会員権  (A)?(B)
—————————————————
資産合計(A)=負債(B)+正味資産(C)

*資産の部に保険(配当金や解約返戻金の額)や貴金属、自動車(下取り価格)などを計上するとより正確になります。


年間損失許容額とリスク資産

バランスシートを作成すると、家計の余裕度が明確になり、ローン返済を優先すべきか、預貯金などの安全資産で運用すべきか、株式や投資信託、外貨などリスク商品への投資は可能か、などが判断できるようになります。
 *安全資産:預貯金のようにあらかじめ将来の収益が確定している資産のこと。

家計の余裕度によって資産の運用は、

1 正味財産がマイナスの場合、ローン返済が最優先。
2 1年間の生活費程度は預貯金等の安全資産で準備。
3 年間損失許容金額を算出して投資商品を選択する。

というステップになるでしょうか。


では、次に年間貯蓄額から年間損失許容額、リスク割合を決め、その後リスク資産(=リスクのある商品で運用できる資産)を算出します。年間損失許容額やリスク割合は正味財産や年令、家族構成など個々の状況により異なります。
年間損失許容額は1年間運用した結果失ってもいいと思う金額の上限を想定するものです。従って家族でよく話し合い前もって決めておくことが大切です。
リスク割合も個々の条件や性格によって大きく異なりますが、一般に1~3割程度が適当ではないかと思います。


<例?1>
金融資産500万円 年間貯蓄額100万円 年間60万円までの損失は許容できるケース:

・リスク割合(=最悪ここまでの損失はO.K.という割合)を決める→仮に3割とする
 ↓
・リスク資産の上限(=年間損失許容額÷リスク割合)を算出する。
  60万円÷3割=200万円
 ↓
・300万円を安全資産で、200万円をリスク資産で運用する

という配分になります。

正味資産が多い人は年間貯蓄額の5~10割をリスク資産に回すことも可能です。反対に正味資産が少ない人は、リスク資産での運用は0~1割にならざるを得ません。年間損失許容額を決めておくと運用の失敗で「損きり」せざるを得ない時、撤退時の見極めが容易になります。