国債・債券/公社債(その他)についても知ろう

国債・地方債は買い方・売り方次第で利回りアップ(2ページ目)

国債や地方債は一部を除き固定金利で、金融商品としては「定期預金」――償還まで持ち続ける。利回りアップの余地はない――というイメージをお持ちの方がほとんどではないでしょうか。それは表の顔。売買の時期を工夫して「え~」と驚くような利回りに変身する顔も持っています。ワンランクアップの債券投資術の基本をご紹介します。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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売却すると約1.7%

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そうか、売ればいいのか……。良かった。住宅ローンの頭金に使える!!

それなら「逆張りバージョン」=「新発債を売却する」はどうでしょう。2011年6月23日の公社債店頭売買参考統計値によると、中期利付国債第65回債(5年)は、100円につき101.27円で売買されており、新発債を売却した場合の所有期間利回りは、1.7176%になります。

<100万円を売却した場合>
  • 売却益      :12,700円
  • 4年間の受取り利息:100万円×1.4%÷2×2回かける4年=56,000円
  • 所有期間利回り:{年利率+(売却価格-購入価格)÷所有年数}÷購入価格×100=1.7175%
さらに、第65回債(5年)を売却し、それをインターネット銀行等の1年定期金利3.0%(2011年6月24日時点)で運用すると、発行当時の利回りを相当上回ることができます。これなら、「やる気」がでそうです。

地方債に目を向けると、「横浜市平成21年度第1回「ハマ債5」公債」(表面利率0.98%、償還まで3年)が101.33円(2011年6月21日現在)で売買されています。この新発債を市場売却すると利回りは1.645%。結構いい利回りです。

*所有期間利回り:償還を待たず(=満期以前)途中で売却した時の、1年間当たりの利回り

 売却益は非課税

資産運用のキーポイントの一つである税制も押さえておきましょう。債券を売買した際の利益に対しては、
  • 売却益 ⇒ 非課税扱い
  • 償還差益(額面と購入金額あるいは発行価格との差) ⇒ 雑所得扱い
となります。償還を待たずに売却すると非課税、というのは債券投資では結構重要です。

債券投資をしている人は、「償還までじっと持ち続けることはあまりない。途中で売買して利益を上げる」と言います。国債利回りは、政局や世界の景気動向に大きく影響を受け変動します。リスクを理解したうえで、ワンランク上の債券投資に挑戦するのも面白いかもしれません。尚、既発債は、取扱い金融機関によって価格や内容が異なりますので、情報収集は怠りなく!
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