5月30日のトップニュースとなった「阪急による阪神株のTOB」。ここで「う~ん、TOBはよく聞く言葉だけれども、一体何のことやら」、そう思った方もいるのではないでしょうか。まずは、TOBについて、説明していきましょう。

会社の経営権などを取得するために行うのがTOB

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経営統合をして大きな会社になるという目的もあります。
TOBとは「Take Over Bid」の略で、多数の株主に対して行われる株式買取のことです。その目的は、株式を多数保有することで経営権を取得することにあります。しかし、これまでの日本ではこのような目的ではなく、企業が自社株を購入するときに多く使われていたのです。

その理由は、株式買い付けの期間や条件を前もって公表することにより、インサイダー取引規制に触れることを回避できるからです。しかし最近では、企業が上場しているグループ会社を完全子会社化するためや、グループ外の企業を傘下に収めるためなどの例が増えてきています。

TOB は、買い付け目的や期間、買い付け予定株数や買い付け価格を新聞公告などで公表しなければなりません。もし、株数が目標数に達しない場合、買い付け取り消しの条件も付けられ、買い手にとってはメリットが高い制度という見方もできます。また市場で大量に株を買うと価格が上昇してしまいますが、TOBを利用すれば公表した買い付け価格で買うため、資金計画が容易になるので、この点も買い手のメリットになります。

ちなみに、東京証券取引所などの上場企業や、未上場の場合でも企業の株を市場外で5%以上買う場合、原則、TOBで買い付ける必要があります。

取締役会の賛同を得ないTOBが「敵対的TOB」

同じ買収目的のTOBでも友好的TOBと敵対的TOBがあり、この2つでは大きな違いがあります。友好的なTOBは買収される企業が買収に同意しているので、とても協力的です。これは合併や、同じグループ企業を子会社化する際に利用され、今回の阪急の阪神株のTOBは、友好的なTOBということになります。

逆に敵対的TOBとは、買収される側の経営陣が株の買い集めに同意していないにもかかわらず、一方的に買収を宣言する場合です。過去には楽天とTBSがこの敵対的TOBで話題になりました。

さて、次のページでは阪急の阪神株TOBと村上ファンドについて見ていきましょう!