劣後株
劣後株は不人気株。だから割安で放置されている傾向あり。ということは、逆に買い? |
こちらは議決権があるけれども配当順位が低いので不人気株になってしまっている傾向があります。だから株価は割安。たくさんの議決権を集めたいと思う投資家が買っている場合が多いのも特徴です。
劣後株が発行されるのは、会社が普通株を発行できないときなどです。会社に十分な利益が出ていない場合、普通株を発行すると、すでに株を持っている株主の配当が下がってしまう可能性がありますよね。しかし、劣後株を使えば、普通株の株主の利益をそこなわないで、資金を調達することができるというわけです。したがって、劣後株は、経営者や発起人に対して発行されている株式なんです。
トラッキングストック
トラッキングストックは、特定の事業部門や子会社の業績に株価を連動させて、配当を行う株式のこと。株式の発行は親会社が行うため、調達した資金は親会社に入るようになっています。なぜこのような株が存在するのかというと、会社の評価を正しくするためと言ってもいいかもしれません。普通、会社が普通株式を発行したら、事業業績は会社全体を通して総合的に評価されますよね。ということは逆に考えると、とても業績がいい分野があっても、業績が悪い分野の影響を受けて、低い評価を受けることがあるのです。
じゃあ、会社を分ければいいのでは?と思いますが、そうすると今度は支配力が欠けてしまいます。その欠点を補ったのがトラッキング・ストックなんです。
トラッキングストックを発行するのは親会社。しかも調達した資金は、親会社に入り、なおかつ議決権は、親会社に対して行使します。親会社にすれば、会社分割を行わずに資金調達が行えるし、事業部門や子会社に対する支配力を維持することができるメリットがあります。そういった面から、新しい資金調達の手段として注目を集めているのが、トラッキングストックなのです。
過去には2001(平成13)年6月20日に、ソニーが、子会社ソニーコミュニケーションネットワークを対象としたトラッキングストック形式を東証一部に上場しました。でもこれは特例として扱ったので、現在は種類株は上場していません。実はジャスダック証券取引所が種類株市場を設けているのですが、上場の事例はないのです。
種類株が上場すれば、資金調達がしやすくなるのは確かです。ただ、優先株を発行しすぎると株主の意見が経営に活かされなくなってしまいます。その辺りが今後の課題になりそうですね。
投資家側からすると、種類株の売買がカンタンになり、配当の面でもいいことがありますよね。それに選択肢が広がるので、今以上に運用上手になれるかもしれません。
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