今でこそ「オンライントレード」は当たり前となってきていますが、そもそもいつからオンライントレードが始まったのでしょうか。案外知られていなオンライントレードの歴史。今回はそれを紐解いてみようと思います。
オンライントレード アメリカの歴史
昔は、値引きをしないように固く取り決めがあった。だから、逆にいえばコスト削減やサービスの向上などもあまりなかったのかも。 |
かつてアメリカの株式市場では株式の売買に関する手数料について、証券取引所が定める固定手数料制度がとられていました。つまり、証券会社が投資家からとる手数料はどこでも同じだったわけです。
1792年に証券ブローカーが徴収する最低限の手数料を取り決め、一切の割引を行わないことを約束した「すずかけの木協定」ができました。そこから固定手数料制度が保たれ、長い間株式市場の最も基本的なルールの一つになったのです。
では、いつから手数料が自由化されたのかというと、1975年です。5月1日メーデーに米国の株式委託手数料は完全に自由化されました。それまでは手数料が固定されていたので、割引などはなく、そういった意味では証券会社間の競争もそれほどなかったわけです。
手数料を安くする競争が始まる
しかし、手数料が自由化されると、もちろんいかに安くするのかという点で工夫がなされてきます。今の日本市場も同じことがいえて、手数料が安いということのほかに、多彩な注文方法があるとか、取引ツールが充実しているなど、他との差別化をはかりながら、口座数を伸ばしてきました。アメリカでは、日本よりも先にディスカウントブローカーが登場してきて、そのシェアは拡大していきます。そして、1990年代に入るとPCが普及した上、インターネットも充実してきたので、オンライントレードがはじまりました。
コストが安いことをウリにしているディスカウントブローカーは、人件費など固定費削減のために早い段階からパソコンを使っていました。しかし、技術の進歩によって、さらにインターネットを活用したサービスが増えてきたのです。
ちなみに、初めてインターネットを通じて証券サービスを行なったのはNet Investerで、1995年1月からだといわれています。それ以降は、オンラインでの取引がどんどんできるようになり、そのシェアを拡大していったことは言うまでもありません。
では、日本ではいつ頃からオンライントレードが始まったのでしょう。次のページで見ていくことにします。