投資家の増加と出来高の上昇
他に必要な要素といえば、やはり相場全体が上向くということです。景気が良くなって企業の業績も良くなると、相場にも活気があふれてきます。そういったニュースが毎日のように流れてくると、それまで投資に興味がなかった人でも、「投資をしてみるか」という考えになってくるものです。これは2005年の後半に起きた現象でもあります。日経平均の5年チャート。青の丸で囲んである時期に、日経平均がハイペースで上昇した。赤丸部分は出来高。 出所:マネックス証券ホームページ/span> |
このとき、日経平均が半年で4000円近く上がりました。率にすると、約40%です。このような相場になると、何を買っても儲かるというようなことも言われるようになって、何もしらない人が言われるがままに株を買って本当に利益を得ていました。それを見て、また投資をする人が増えるという、好循環が生まれていたのです。
投資家が増えるということは、出来高が増えることと関係があります。出来高というのは、どれだけ株が売買されたかというもので、この数がおおければ取引が多く、相場に活気があるということにもなります。しかも、トレンドが上昇していれば、どんどん株を買うという状況なので、株価も上がっていきます。2005年の後半は、45億株という出来高の日もありました。ちなみに、今はその数には遠く及びません。
企業自体の魅力
そもそも、企業自体に今後の成長の余地があるのかどうかもとても重要なことです。たとえば、世の中を見渡した時に、今後ますます必要とされるような事業を行っているのかどうかです。仮にどう考えても環境に悪影響を与えるようなことを事業の一環として行っていて、それが将来的に続く場合、今後の成長は期待できないように思います。逆に、環境にフォーカスした企業は成長していく可能性が高いわけです。あとは、高齢化社会に対応しているような企業なども、これからの世の中を考えれば、成長する見込みがあるのではないでしょうか。たとえばワタミなどは、飲食だけではなく高齢化に対応している企業としても有名です。
こう言ったように、世の中がどういう流れに沿って動いているのかということは、銘柄を選ぶときの1つのポイントになります。ただし、短期的な見方をすると、株価の急激な上昇に乗ることは可能かもしれませんが、熱が冷めたときには株価の下落に巻き込まれる可能性もあるので、注意が必要となります。
株価が上がっていく理由を挙げてみましたが、逆にこのようなことと反対のことが起きれば株価が下がる可能性があるということです。そのことを頭の片隅に置いておく必要がありそうです。
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