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信用取引が長期投資にむかない理由(2ページ目)

これまで信用取引についての記事を書いてきましたが、それなら信用を使って長期的な投資をしてみてもいいのでは?と思うかもしれません。でもそれには待ったがかかりそう。そのワケは…?

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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信用取引で100日保有した場合

先ほどと同じ条件のもと信用取引で100日保有したとします。つまり、買ってから100日後に株価が100円上昇して、そこで売るという流れ。このとき売買手数料は変わらず買いと売りで1,000円ですが、金利が100日分となるので先ほどよりは増えてきます。実際にいくらになるのかというと、

金利=150万円×3%×100日÷365=12,328円

しかも、今回の場合には「管理費」もかかってきてしまいます。ここでいう管理費というのは信用新規建の約定日から1ヶ月を経過するごとに建玉ごとに発生する費用です。前ページの場合には、約定してから1カ月がたっていなかったので、この管理費はかかりませんでした。しかし、今回は3か月がたっているので、その分加算されます。1株当たり10.5銭。

ということは、1,000株の場合には、

1,000株×10.5×3か月=315円となります。

したがって、この場合のトータルの費用は売買手数料1,000円+金利12,328円+管理費315=13,643円となり、利益は8万6357円という計算になります。

権利確定日をまたいで100日保有した場合

次はもう1パターン。100日間保有している間に配当や優待の権利確定日を迎えた場合です。実は、権利確定日をまたぐと、「名義書換料」がかかってしまうのです。これは、単元株数ごとに52.5円かかるので、もし単元株数が100株の場合で1,000株保有していると、52.5×10=525円かかります。

つまり、先ほどの費用にプラスして525円がかかるので、結局利益は8万6357円から525円を引いた8万5832円ということになります。

画像の代替テキスト
気がついたら、こんなに費用がかってた!ということも。信用取引の「隠れた費用」には十分注意しよう!
これまでの計算結果から、信用取引を使った場合には、長期で保有すればするほど金利や管理費、そして名義書換料といった費用がかさんでしまうことがわかります。現物取引にはない費用がかかっているという事実がある以上、長期投資に信用取引を利用するのは不利と言ってもいいかもしれません。

短期で行うにはレバレッジをかけることができるので優利に働くものですが、信用取引にはメリットデメリットの両方があります。特に費用を総合して考えながら信用取引を利用することが大切ということになりそうです。

【これまでの記事】
これがないと、信用取引はできません!
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