年金/厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料、忙しい時期で保険料が変わる!?(2ページ目)

厚生年金の保険料は、給料額に応じて決まるので、同じ年収であれば控除される保険料額も同じはずなのですが、差がつく場合もあります。今回は、同じ年収で「忙しい時期」が違うケースで検証してみます。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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保険料は4、5、6月の給料で決まる

AさんとBさんの保険料の「差」の原因は、保険料の決定システムにあります。

厚生年金の保険料は、毎年4月、5月、6月の給料の平均額で、1年間(9月から翌年8月分)の保険料が決まる仕組みになります。

先ほどのAさんとBさんの4月、5月、6月の給料額を見てみると、以下のとおりとなります。
同じ年収でも4~6月の給与額の「差」が大きな影響を及ぼす

同じ年収でも4~6月の給与額の「差」が大きな影響を及ぼす


3カ月の給与平均額を見ると、Aさんが40万円、Bさんが30万円と「10万円の差」となり、それがそのまま保険料の差となっているわけです。春から初夏にかけて「忙しいか暇か」で、2人の保険料に差がつくとは驚きですね。

保険料が上がる=年金額も上がる

昇給もないのになぜ保険料が上がったのだろうか?と疑問に感じた人もいるでしょう。それは、この保険料決定システムに原因があります。また、「4月~6月に残業したら損」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。保険料が上がるということは、手取りの減少を意味しますので、ある面では「損」だといえます。

ただ逆に、「保険料が上がる=将来の年金額が増える」ことも事実ですから、どちらが得とは一概にはいえません。

なかなか自分で残業時間をコントロールできないのが実情とは思いますが、この保険料の決定システムは知っておいて損はないでしょう。

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